皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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留吉さん |
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平均点: 5.40点 | 書評数: 25件 |
No.3 | 7点 | 生存者、一名- 歌野晶午 | 2005/02/28 18:16 |
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・少人数のクローズド・サークル、サバイバル・サスペンスが短時間で手軽に楽しめ、コストパフォーマンスはサティスファクトリー ・新聞記事は笑える。この状況で「・・島での生存者は一名にとどまる・・」とか「○性一名を救出・・」などと報道するメディアがあるだろうか。 ・タイミングが悪かったが、登場人物の一人の口調が、どうも「富豪刑事」の主人公とダブってしまった。 ・結末は、全編を覆う厚い暗雲から、一筋の陽光が射し込む感じで悪くないだけに、(本作では)はっきり「白勝ち」にした方が良かったと思う。 |
No.2 | 6点 | 正月十一日、鏡殺し- 歌野晶午 | 2004/09/28 09:57 |
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相変わらず独特の重鬱感とコンパクトな文体で読ませてくれる。
・『盗聴』 この作者にしては極めて珍しい、健全な読後感を残す作。 ・『猫部屋の亡者』 加害者が「あるもの」に気づかず妄想に捕らわれ破滅していく話だが、普通気づかないはずがない。 ・『プラットホームのカオス』 題名通り、込み入った構成になっているが、謎解きよりも(いじめや教育問題にかすりながら)浅はかな人知と運命の悪戯により、幼気な命が無駄に失われる痛ましさとやりきれなさがフィーチャーされている。 ・表題作 運命が人間を嘲嗤う様をさらに陰惨な形で具現化、あるいは、人は悲劇を回避し得るかという問いに対する、作者自身のアレゴリカルな考察提示なのかもしれない。 こういう短編集は深く考えずに読み流すべきものなのだろうね。 |
No.1 | 6点 | 放浪探偵と七つの殺人- 歌野晶午 | 2004/09/21 11:25 |
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トータルとしては高水準の短編集と言えるだろう。
・『ドア⇔ドア』 古畑任三郎の楽しさ。 ・『幽霊病棟』 大凡作。この人は傑作とは言えなくても特異な才能を窺わせる作を多数出している割りに、本編のような子供の推理クイズで見たようなネタを平気で書いてくることがある。放浪作家の七不思議。 ・『有罪としての不在』 論理の詰めに甘さはあるがよく考えたものだと思う。挑戦物としては楽しめる。だけどこんなの解けるわけがない。 ・『W=mgh』 不気味だが漫画的でもあり、んなわけねェだろ、と笑える。 しかし信濃譲二というのはホントに嫌な奴なんだろうね・・・ |