皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
Kingscorssさん |
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平均点: 6.42点 | 書評数: 96件 |
No.3 | 7点 | 盤上の敵- 北村薫 | 2020/09/04 14:41 |
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北村薫さんの作品らしくない緊迫した文章、白と黒が交互に書かれるミステリアスな構成。もうたまりません。
TV制作会社勤め(だっけ?)の主人公の留守中の家で発生した、在宅の妻を人質に取られた強盗立てこもり事件。主人公をチェスの駒のキング、妻をクイーンに見立て、チェス盤上の棋譜のように戦略的にこの一連の事件の解決を試みる夫。しかし、その裏には隠された真実が… 個人的には思い切り騙されましたし、とても面白かったんですが、イヤミス的な要素も含んでいるので合わない方(特に女性の方)も結構いらっしゃると思います。読後感も決していいとはいえません。ただ、日本ミステリー史の重要な立ち位置に残るであろう作品(言い過ぎ?)だと思うので機会があったら是非読んでみて下さい。 |
No.2 | 5点 | 覆面作家は二人いる- 北村薫 | 2020/09/04 12:11 |
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何も考えずにサクサク読めて楽しめる寡作。展開とかキャラクター、掛け合いが完全にラノベか漫画なので肩の力を抜いて楽しめる。
そのため、ミステリー部分はどちらかと言うと薄味で、推理を楽しむのではなく、ぶっ飛んだ正確の持ち主である深窓の令嬢とワトソン役の編集者の漫才みたいな掛け合いとかを楽しむだけの作品なので内容自体はあまりない。悪く言えば安っぽいTVドラマを活字化したような作品。 あまりミステリー部分を期待せずに、ラノベとか漫画の活字化と思って読めば楽しめると思います。個人的には可もなく不可もなくという感じ。 |
No.1 | 7点 | 空飛ぶ馬- 北村薫 | 2020/09/04 11:53 |
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北村薫さんの日常の謎系傑作ミステリー。氏のデビュー作で、円紫さんと”わたし”シリーズの第一作。五つからなる短編集です。
この作品ははっきり言ってしまうと地味の一言です。なので、あまり面白味を感じない読者も少なくないとはおもいます。派手な殺人事件等でなく、日常の謎という身近なテーマに主眼をおいて、女子大学生の”わたし”の周りで起こるちょっとした不思議を、それらの謎とは全く関係のない噺家である円紫さんが聞いただけで推理して解決?(または解明のみ)するという、いわゆる安楽椅子探偵ものです。 この本の特徴は読後感でしょう。どの話も北村さんの良質な文章力でやさしく心をなでられ、あるものは謎が解明した後にもやもやしたり、あるものはほっこりしたりと、他の推理小説では味わえない不思議な読後感を満喫できます。 このシリーズはどの本から読んでもおもしろいんですが、今作はシリーズ第一作なので”わたし”と円紫さんとの出会いや交流のはじめがキチンとエピソードに入っていて、この本から順番に読んでいくのがおすすめです。シリーズ毎に”わたし”の成長も合わせて読めるので今作が面白いと感じたなら、自然と残りのシリーズも読破されることでしょう。 |