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SUさん
平均点: 5.87点	書評数: 55件

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No.2	6点	虜囚の犬- 櫛木理宇	2024/02/16 22:54
とある男が死体となって発見されるところから始まる。その男の住居を訪ねた刑事は、その屋敷の離れで監禁されている女性を発見する。犬の首輪で鎖につながれている女性には、繰り返し性的暴行を受けた痕跡があった。犬用と思しきエサ皿で彼女に与えていたのは、先に亡くなった他の女性をミンチ状にしたものだと後に発覚する。 グロテスクなヴェールが覆い隠す複雑に入り組んだ人間ドラマ。なぜ女性を犬のように監禁していたのか、監禁していたのは誰なのか。一つ明らかになれば、また一つの謎が浮かび上がり、明らかになったはずの真実さえ闇に沈む。丁寧に緻密に作り上げられ、ページをめくる手が止まらない。

No.1	6点	死んでもいい- 櫛木理宇	2022/11/23 20:21
よくぞここまでと言いたくなるくらいに嫌なシチュエーションのもとで話を展開させ、思いがけない地点にフィニッシュを決めて見せる。特に「彼女は死んだ」で使われる「いい人」「やさしい人」といった言葉のニュアンスが印象的。 なお、収録作はそれぞれ独立した内容ながら、竹本健治の「ウロボロス」シリーズや澤村伊智の「恐怖小説キリカ」を想起させる巻末の「タイトル未定」だけは最後に読んでいただきたい。