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タピオカさん
平均点: 8.75点 書評数: 16件

プロフィール高評価と近い人 | 書評 | おすすめ

No.16 10点 法月綸太郎の功績- 法月綸太郎 2024/10/31 02:25
めちゃくちゃ面白かった!もっと世に知られたり、評価されてもいい、とも思った。

どの短編も(長さ的に中編なのもある)緻密なトリックと法月氏のアクロバティックな推理、論理展開が肝。トリックの計略性、推理のロジックに重きを置いてるため、動機的なところが雑で、そこが納得できない人も多そう。ホワイが好きな人はその点を注意して読むべし。逆にトリックの凝り具合が好きだ、アクロバティックな論理が好きだって言う人は是非。個人的には動機とかはどうでもいいので、トリックが凝ってればそれで良しと思いました。

あえてフェイバリットをあげるとするなら「イコールY~」と「ABCD包囲網」。どちらも中編だけど、やっぱ物語のスケールが大きくなれば、トリックも壮大になるのかなぁ……。私ももっと長編読んだ方がいい? いちいち伏線とか覚えてられないんだけど……。

No.15 8点 動機- 横山秀夫 2024/10/05 22:35
面白かった。一番はやっぱ「逆転の夏」かな。

下の方が「松本清張風」と今作を例えていたのがよくわかる。「第三の時効」と比べると人間ドラマの部分も濃く描かれている。そしてそれが結構暗い。それでも個人的には、それでも楽しめたからこの点数でいいかなと。

No.14 4点 亜愛一郎の転倒- 泡坂妻夫 2024/09/28 19:49
このサイトで評価が高かったから読んでみた。どれも謎の提示は面白いけど、割りと真相があっさりしてて拍子抜けしてしまった。突き抜けて面白かったものはなかったが、裏を返してみればどの話も安定して読める、ということだと思う。でも個人的にはあまり好みじゃなかったかな。

No.13 10点 黒い画集- 松本清張 2024/09/28 19:36
「遭難」、「紐」が白眉。特に「紐」の二転三転する展開が面白い。最後の一文まで目が離せない展開が面白い。

短編小説、短編集が好きな方は一読の価値はあると思う。ただ、外れもいくつかあるのが難点かな。でもそれは短編集としては仕方ないかなと思う。どの短編も面白い短編って滅多にないし、書く方も相当な才能が必要だと思う。短編小説って落としどころが難しいし、連城三紀彦の作品群を見たって全部が全部面白いわけではない。小粒揃いの短編集より外れがあってもいいから、1つ2つ突き抜けた短編が納められてれば私としては満足。

No.12 10点 地雷グリコ- 青崎有吾 2024/08/19 22:04
(ネタバレ注意)

頭脳戦、心理戦を帯で謳っているが正当にゲームしていると言えそうなのは最初の「地雷グリコ」だけかな。他は如何にルールの盲点をついて勝利を掠めとるかの発想力の勝負になっている。その発想力を許容できるか否かで、この作品を楽しめるか決まってくると思う。これから読む人はそういったところ注意が必要かも。

個人的には「自由律ジャンケン」までは楽しめた。特に「自由律ジャンケン」での主人公のルールの盲点のつき方が面白い。「だるまさんが数えた」はギリ許せるとして、「フォールームポーカー」ではルールも複雑だし、反則級の行為が頻発。火事を起こすのは正直やりすぎだと思うし、そもそも奇術部の旧部室棟がゲームの舞台じゃなかったら、主人公はどうするつもりだったんだろう。

でもこれだけ面白い短編をいくつも収録できた時点で、短編集としては上出来な部類だと思うんだけどなぁ。大体の短編集って1つか2つ面白いものが収録されていれば上等なものだし。主人公の戦略も相手の性格を見抜いて、緻密に、理的に計算されている。勝負が決まったときその全貌が明かされるのはミステリー的で面白い。

どうすっかなぁ。おまけで10点にしとくか。

個人的ベストは「地雷グリコ」と「自由律じゃんけん」。


追記:色んな短編小説を読んできたけど、登場人物の行動の一貫性だったり、計略性なんかに重きを置く自分としてはこういう小説がもっと世にでてほしい感じはする。

No.11 10点 シャーロック・ホームズの冒険- アーサー・コナン・ドイル 2023/09/14 19:45
「ボヘミアの醜聞」、「赤毛組合」など今のミステリやサスペンスの基礎となったんだろうなぁ、と思われるトリックやストーリー展開だった。ミステリー好きは一読の価値あり。あと文章が比較的読みやすい(重要)

No.10 3点 クリスマス・プレゼント- ジェフリー・ディーヴァー 2023/09/05 18:11
このサイトで点数が高いので期待して読んでみた。……何というか、作者のどんでん返しは『ハリウッド的』というか、こういう捻りかたをするのはよく映画でちらほら見かけますよね。まぁ、作者もアメリカ人なので仕方のないのかもしれませんが。その分、日本の推理小説って、手が込んでて素晴らしいと改めて痛感した。

No.9 9点 家日和- 奥田英朗 2023/09/01 20:12
この作家が描く人物造形が面白い。家庭を持つ中年の大人たちが、ひょんなことから新しい趣味を見つけ没頭する姿が、どこか親近感を感じて面白い。皆、今まで溜まっていたフラストレーションを発散するかのように新しい趣味にのめり込む。

No.8 10点 宵待草夜情- 連城三紀彦 2023/08/24 10:15
個人的には「戻り川心中」より好き。特に「未完の盛装」はお気に入り。これほど情緒に溢れて、手の込んだミステリの短編小説を読んだことがなかった。この本を知ったきっかけになったこのサイトには感謝しかない。

No.7 8点 チルドレン- 伊坂幸太郎 2023/08/23 12:47
ミステリとしては要素が薄いかもしれないが、するすると読みやすく、ユーモア溢れる文章がいい。キャラクターもみんな個性的でいい。

No.6 9点 空中ブランコ- 奥田英朗 2023/08/23 12:35
患者たちのキャラクター造形が面白い。みんな、誰しもが経験するような、共感できるような悩みごとで病を患っている。それを伊良部が薬などに頼らず患者たちを直していく様が面白い。

No.5 9点 イン・ザ・プール- 奥田英朗 2023/08/23 10:57
このシリーズ好きだなぁ。病を抱えて病院にやって来る登場人物がみんな特徴的で面白い。我が強がったり、コンプレックスを抱えてたり、単純に疲れてたり。そりゃあ、心も病みますよ。

No.4 10点 悪意- 東野圭吾 2023/08/06 21:17
東野圭吾の作品の中で一番好き。もっと長編小説を読もうと思った。

No.3 10点 心理試験- 江戸川乱歩 2019/08/23 05:45
刑事コロンボを思い出す展開。

心理表を利用した推理も見事でした。

ちゃんとストーリーも落ちがあっていい。

No.2 10点 第三の時効- 横山秀夫 2019/08/19 23:32
個人的に短編集のオールタイムベスト。

どの短編も面白く読めてハズレがない。

お気に入りは「沈黙のアリバイ」、「第三の時効」
「ペルソナの微笑」。

No.1 10点 戻り川心中- 連城三紀彦 2019/08/15 05:07
表題作のみ採点。

二転三転するプロットの他、思いもよらない動機が秀逸。

でも見方によると、歌のために女性たちを殺したクズ歌人とも見れる。てもそこは藝術家でしか理解できない境地というものがあるのだろう。

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