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ロマンさん
平均点: 8.08点 書評数: 177件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.4 8点 法月綸太郎の功績- 法月綸太郎 2015/10/21 11:36
推理作家の法月綸太郎が探偵役を務めるシリーズの短編集。「ロジックとパズル好きにおススメ」的な紹介に敷居が高いなと感じていたが、これが全くの杞憂。いずれも大掛かりなトリックで驚かせてくれる作品ではないけれど、解けそうで解けない謎を一緒になってあーでもない、こーでもないと考えさせつつ、シンプルな論理がピタリとハマった解答にスッキリさせられるという連続で、思いのほか楽しませてくれる。なかでも「都市伝説パズル」の論理の鮮やかさは秀逸の一言。これならぜひとも著者の長編も読んでみなければと期待をかきたてる一冊だった。

No.3 8点 ふたたび赤い悪夢- 法月綸太郎 2015/10/20 23:33
アイドル歌手有里奈を襲った悪夢の一夜。刺されたはずの自分が生きていて、刺した側の男の死体が発見される。ボリューム感たっぷりの本作ですが、次々と新展開が続くため飽きずに読了した。家族のことで自分の殻にこもってしまう有里奈と、前作の事件で探偵としての自分を見失ってしまった綸太郎が、今回の事件を通じて徐々に自分を取り戻していく姿が良かった。二転三転する展開も楽しめた。

No.2 9点 頼子のために- 法月綸太郎 2015/10/20 20:27
高2の娘を殺された父親が、自らの手で犯人を割り出し殺害した顛末を綴った「手記」を残し、自殺を図る。これで終わったかに見えた事件だったが、関係者の思惑に巻き込まれ推理作家の法月綸太郎が再捜査に着手するやいなや、複雑な様相を見せ始めていく。さまざまな思惑を絡ませながら二転三転していくスリリングな展開の果てに、当初の人物像をガラリと変えていく“真実”もさることながら、そこから浮かび上がる不憫なまでの悲しき人間ドラマが読み応え十分。その静かで重い余韻が衝撃的に残る傑作。

No.1 5点 雪密室- 法月綸太郎 2015/10/20 14:33
「法月綸太郎シリーズ」第一長篇。シリーズ作品は先に数冊読んでいたが、単なる探偵役に済まされない、法月親子の物語として意識される内容が新鮮だった。作風自体は異なるものの、全編に漂う空気には何処かデビュー作『密閉教室』と同様の肌触りも感じられる。ただ、流石にトリックに関しては古びてしまっているような印象も。媒体問わず様々な形で後継となる作品が出揃っている現代にあって、発展史を学ぶ以外にわざわざ読む意義がどれ程あるかは悩み所。構成に係る仕掛けも見破れてしまい、謎解きによるカタルシスは味わえなかった。伏線は丁寧。

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ロマンさん
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採点傾向
平均点: 8.08点   採点数: 177件
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