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ロマンさん
平均点: 8.08点 書評数: 177件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.4 7点 僧正殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2015/10/29 20:03
展開、キャラクター描写は現在でも色あせることなく、むしろ後世の作品に影響を与えるだけあって一級品。犯人を推定する証拠が不十分ではあるが、科学的捜査が確立していない時のプロファイリングを主としての推理物と考えれば興味深く読める。後半での犯人とのやり取りとどんでん返しにはまんまと踊らされてしまった。

No.3 8点 ケンネル殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2015/10/24 23:15
今度の薀蓄は中国美術とスコッチテリア。意外性の連続により、解析不能となった事件が、ほんの小さな亀裂から解決されていく。変数が多いほど、その連立方程式は解きづらくなるが、これほど変数が多いのも珍しい。というより、常人には完全な解決は不可能な物語。少なくとも犯罪に対する知識を多種多様持ち合わせている人間が、下手な鉄砲方式で打ち続けて、やっと解答に到達する、そんな途方も無いミステリだ。ただ、テリアから犯人を特定する方法は(それが殺人犯の特定とは言えないけれども)実に論理的。

No.2 6点 ベンスン殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2015/10/20 23:14
事件の捜査に興味のあった彼は、友人のマーカム検事のツテで、自宅の椅子で射殺されたベンスンの捜査に同行させてもらったヴァンス(&ヴァン)弾道上のなどの考察で犯人の性別や身長を割り出したものの、中々解決には結びつかず、検事とヒース部長刑事協力の元、入念にアリバイと動機を探り、消去法で犯人の正体を追い詰めていく。容姿端麗で美的知識に強く、ユーモアラスで冷笑的、遺産でお金に苦労しない、古典的かつ推理小説のお手本のような黄金時代の心理的探偵の作品。

No.1 8点 グリーン家殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2015/10/20 14:38
この推理小説は「犯人は誰か、何のために」を論ずる物ではない。閉鎖的な家で登場人物が次々殺されていく中で分かってしまうから。重要なのは如何にしてヴァンスが矛盾なく推理して行くか、その過程が面白い。謎を残さず全て解明していくので読者は読み終わった後すっきりする。86年前書かれたとは思えない面白さがある。

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