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りゅうぐうのつかいさん
平均点: 6.29点 書評数: 84件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.2 6点 妖虫- 江戸川乱歩 2016/07/18 22:08
乱歩の定番とも言える、怪人と探偵が対決する話で、派手な舞台演出を見せ場とする、エンターテイメント性重視の通俗もの。
この物語での怪人は、現場に赤いサソリを紋章として残し、恐怖心を煽り立てる「妖虫」。探偵は、明智小五郎ではなく、白髪白髭の奇人の老人探偵三笠竜介。
真相の核となる、ある人物の正体には、すぐにピンとくると思う。物語の進行に伴って、それを裏付ける出来事が次々と起こるので、わかりやすい真相だ。
警視庁の簑浦係長が説明した、品子誘拐のトリックと、そのために犯人が取った手法は面白い。
次のようなことが説明されていないが、まあ良しとしよう。
・犯人は、三笠の探偵事務所の特殊な構造をどうやって知ったのだろうか。
・ショウウィンドウの人形と○○をどうやって入れ替えたのだろうか。また、その捜査の結果は。

三笠探偵が最後に品子の部屋を調べた際に行ったことは、ひどすぎると言わざるをえない。わざわざそんなことをしなくてもすんだのに、最後の場面を劇的に盛り上げるために、探偵にとんでもないことをさせている。

No.1 7点 黒蜥蜴- 江戸川乱歩 2016/07/11 20:10
映像作品は見たことがなく、初めて読んだが、展開がスピーディーで、場面が次々と切り替わり、面白いと感じた。
確かに俗っぽいストーリーで、「そんなにうまくいくだろうか」と思わざるをえないようなご都合主義が随所に見られるし、明智小五郎は名探偵の割には迂闊だし、もっと安全に黒蜥蜴を捕まえることができるのにわざわざ劇的に逮捕するための演出過剰が見られるなど、不自然な点は多々あるが、そういうことを指摘するのは野暮というものだろう。
明智と黒蜥蜴との虚々実々の駆け引きや意表を突いた策略など、見どころ満載。
「怪老人」の正体を完全に読み誤っていて、真相には驚いた。
しかし、明智が取った策略は、人命を軽視しすぎではないだろうか。

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りゅうぐうのつかいさん
ひとこと
好きな作家
採点傾向
平均点: 6.29点   採点数: 84件
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