皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
songpu guさん |
|
---|---|
平均点: 5.69点 | 書評数: 13件 |
No.2 | 6点 | 怪奇探偵小説名作選〈7〉蘭郁二郎集-魔像- 蘭郁二郎 | 2013/05/16 17:54 |
---|---|---|---|
作者は海野十三と並ぶ科学空想物の先駆け的な人物。そして本作は偏執的な写真愛好家、水木舜一郎の歪んだ趣味を描いたスリラー調の作品。
水木の行動に怖さもありましたが、彼が求職中の主人公寺田へ親切にも自らの助手として住処を申し出、好きな撮影生活を二人で送りながら最終的に彼を騙し、被写体としての彼の身体を求めたという結末には、前振り等から至極当然な感もあります。それより彼の以前から撮りたかった願望が腐乱した男女の遺体だということのほうが衝撃で、それも少しづつ腐っていく姿を日々ゆっくりと撮影したいとか、そういった非人間性の方により恐怖を覚えます。彼のこういった作品への執着もまた凄まじく、モデルとして優れていれば何の躊躇いも無く行商人の女を殺めたり、旧友を陥れたり、短いながらもその種の彼の狂気には読むべき価値があるかと思います。 |
No.1 | 6点 | 火星の魔術師- 蘭郁二郎 | 2013/05/11 19:58 |
---|---|---|---|
当時としてはちょっと倒錯的で彼らしい科学物といった趣の一作です。とはいえ染色体について述べる箇所などは空想をテーマとしつつも著者らしいものでした。
ここでいう「著者らしい出来」とは実現可能な部分を残すといった手法にあるかと思います。元々著者が科学小説へと転向したのが、国力=科学力と信じ、将来未来を担う子供達にこれからの重要な国の担い手として平易に科学知識に興味をもつてもらうことができるようと執筆し始めたことにあり、当時としては発想が突拍子のようなものでも、現実的な路線をあまり踏み外さない、ファンタジー化しないといったことがそれに該当するかと思います。 本作はそんな著者の中でも「火星」という惑星を想定し、全てが巨大化したといった、なかなかユーモラスとスリラーっぽさを兼ね備えた科学物になるかと思います。 |