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TON2さん
平均点: 5.65点 書評数: 330件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.11 5点 天河伝説殺人事件- 内田康夫 2013/02/12 18:32
角川文庫
 映画にもなったので、浅見光彦シリーズでは最も有名な作品でしょう。能の宗家と天河神社という取り合わせが、興味をそそりました。

No.10 3点 城崎殺人事件- 内田康夫 2012/12/25 20:36
徳間文庫
 シリーズで数多くの作品が生み出されていますが、この作品のようにいくら兄が警察庁のキャリアだからといって、捜査にああまで口出ししてもいいものでしょうか。また、ミステリーとしては、犯人は誰か、動機は何かという謎解きはありますが、殺人トリックに関してはほったらかしです。警察も見破れなかった自殺に見せかけた殺人、その方法は?最初に謎を提示しておきながら、全く説明がありません。
 読者は、主人公を取り巻くキャラにひたりたいというだけでしょうか。

No.9 4点 贄門島- 内田康夫 2012/12/04 20:22
文藝春秋
 房総半島の千倉の沖にある小島、通称贄門島が舞台。豊かな海産物から、経済的にも行政的にも日本から独立した島という設定です。しかし、その豊かさを支えているのは、北朝鮮との密貿易だった。
 この作品でも、浅見光彦は密輸、殺人、密入国などを暴きますが、彼は国家権力に告発しようとはしません。
 水戸黄門や鬼平に通じる自由さですが、はたしていかがなものでしょうか。光彦自身が善悪の審判者となってしまっています。 

No.8 4点 ユタが愛した探偵- 内田康夫 2012/12/02 17:26
徳間書店
 沖縄が舞台です。ユタとは、恐山のイタコのように、霊の言葉を聞いたり霊に話しかけたりすることができる人間のことです。
 沖縄がその歴史ゆえに、本土とは異なった文化や風俗を有しているということを光彦に語らせており、沖縄の知的観光案内となっています。
 事件は保険金目当ての殺人に関することですが、探偵役の光彦が犯罪を知りながら警察に連絡しないという場面があります。探偵が善悪を判断する「神」の立場となることについては感心しません。

No.7 6点 終幕(フィナーレ)のない殺人- 内田康夫 2012/11/26 21:36
祥伝社ノン・ポシェット
浅見光彦ものですが、旅情ミステリーではなく、芦ノ湖畔にある別荘に引退した大物芸能人が現役芸能人を招いたパーティーでの連続殺人事件です。

作者のあとがきに「いわゆる古典的(本格)探偵小説ぐらい大抵の作家はその気になれば書けると信じている。書かないのは、自分の体質に合わないからに違いない。この世のものとも思えない大がかりなトリックに象徴されるような、児戯にも似た非現実性、ばかげた動機等々、常識の範疇から逸脱したようなことを書くには、良識と教養が邪魔になっているだけだと思う。その主張を実践し、作品にしたのがこの作品。」と作者が強弁しているわりには、それほどうまくできているとは思いません。

むしろミステリーではなく、完全なパロディ小説だと思います。評価もそのつもりで行いました。

トリックだプロットだなんだかんだよりも、この本の面白さは実在の芸能人を登場人物のモデルにしていることです。誰がどのタレントかを考えたり、タレント本人を頭に置きながら読むことが楽しいという、かなり悪趣味な内容です。

登場人物は、「ゴー、ゴー」が口癖の元アイドルの男性歌手。彼との涙の別離会見を開いた元アイドルの女性歌手。後にこの二人と結婚する俳優と女優。その女優の両親の大物俳優と大物女優。今ではお笑い界の大御所的存在で、映画監督もこなすお笑い・文化人タレント。やはりお笑い界の大物で、「ヒャーハハ」と笑いながら司会業をこなす関西出身のお笑いタレント。晩年は夫婦仲がよいことを売り物にしていたが、中年の頃に芸能界の暴露本を出版し、いろんな方面からバッシングされた俳優とその妻の女優。

誰だか分かりますか。芸能界のゴッシップ好きにお薦めします。

また巻末の解説で、ジャーナリストのばばこういち氏が、この作者の作品が売れるのは、マーケティングが行き届いているからだとして、次のようなことを指摘しています。慧眼です。
①浅見光彦=水戸黄門。始めは胡散臭いやつと思われているが、兄が警察庁刑事局長だと知れると、とたんに相手が低姿勢になる。
②旅志向の時代的要素の注入。
③各地の歴史や伝統文化をちりばめることにより、読者に知的満足を与えるとともに作品に風格をもたらす。
④浅見光彦=現代の「寅さん」。落ちこぼれであるが、他人にやさしく、おごらず、美人にもてるが成就しない。
⑤作品の発表頻度が、1冊が売り切れた頃に、次の1冊が本屋に並ぶ。

作者は、どうしてこんな本を書くはめになったのでしょうか?

No.6 5点 箸墓幻想- 内田康夫 2012/11/25 17:05
毎日新聞社
第七代孝霊天皇の皇女で第十代崇神天皇の伯母ヤマトトトヒモモソヒメの墓といわれ、宮内庁が管理している箸墓をめぐる遺跡発掘物に関する殺人事件です。
大和は歴史・伝統とロマンスの宝庫です。少し余裕ができたら、ゆっくり回ってみたいと思いました。

No.5 6点 後鳥羽伝説殺人事件- 内田康夫 2012/11/23 00:15
角川春樹事務所
作者の第3作目にして、名探偵浅見光彦の初登場作品。
承久の乱により壱岐に流された後鳥羽法皇が還幸したという伝説の残る広島県から島根県にかけてが舞台で、情景模写に旅情をそそられます。
話の切れ味がよく、警察組織の抱える問題も俎上にあげられ、奇抜なトリックなど使わないことで現実味をもたせ、登場人物の内面の動きもとらえている点が共感を呼びます。

No.4 4点 皇女の霊柩- 内田康夫 2012/11/05 22:34
浅見光彦もの。
皇女和宮の東下りの際、中仙道を通り、各宿場には万一の場合に備えて、柩が用意されていたという。
木曽の妻籠、馬篭が舞台。

No.3 3点 佐用姫伝説殺人事件- 内田康夫 2012/11/05 22:01
浅見光彦ものです。陶芸の新技法の盗作にからんで殺人事件が起こります。舞台は佐賀県有田です。

No.2 3点 日光殺人事件- 内田康夫 2012/11/05 21:59
浅見光彦もの。天皇の前での歌会始に選ばれた和歌が、盗作であり、これにからんで殺人事件が起こります。
天海僧正は明智光秀で、奥日光の智秋家は明智光秀の子孫かもしれないという話が出てきます。
あいかわらず、ミステリー度は低めです。

No.1 2点 斎王の葬列- 内田康夫 2012/11/05 18:39
浅見光彦ものです。
読んでいるときはそれなりに面白いと思っていたのですが、2週間ほど経ったら内容を忘れてしまいました。その程度の作品です。

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TON2さん
ひとこと
純粋なパズルよりも、雰囲気のある作品が好きです。
雰囲気を味わうために、短編よりも長編が好みです。
好きな作家
横溝正史、京極夏彦、島田荘司、三津田信三、高村薫、クリスティー
採点傾向
平均点: 5.65点   採点数: 330件
採点の多い作家(TOP10)
島田荘司(25)
高田崇史(22)
京極夏彦(17)
宮部みゆき(11)
内田康夫(11)
鯨統一郎(11)
エラリイ・クイーン(10)
森博嗣(9)
大沢在昌(8)
二階堂黎人(8)