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りゅうさん
平均点: 6.53点 書評数: 163件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.3 6点 法月綸太郎の新冒険- 法月綸太郎 2012/01/31 20:54
 いずれの作品も真相に意外性があって良く出来ていると思うのですが、すっきり感がなく、しばらく経てば忘れてしまいそうです。個人的ベスト作品は「身投げ女のブルース」。 
「背信の交点」
 一件落着したかと思われた事件、ある事柄の判明から事件の様相は反転します。事件の成り行きに細かい意味を持たせていくラストの描写は見事です。
「世界の神秘を解く男」
 最後の犯人との対決が見どころでしょうか。〇〇の殺意だったのが残念。
「身投げ女のブルース」
 東野圭吾氏の某作品を彷彿させる、驚きのある真相でした。決定的な証拠(〇〇の色が違っていたこと)が後出しで伏線も不足しているので、読者がこの真相を推理するのは難しいと思いますが。
「現場から生中継」
 電話によるアリバイトリックだと思っていたら・・・・・・。法月が犯人を追い詰めた根拠はちょっと弱い気がします。
「リターン・ザ・ギフト」
 法月と穂波の仮説の検証過程が面白い。第4の仮説が示された時点で真相が予測できました。

No.2 6点 法月綸太郎の功績- 法月綸太郎 2011/01/18 19:56
「イコールYの悲劇」
 東郷ゆかりを殺害しようとした犯人の思考経路が理解できません。「イコールY」の文字痕と東郷ゆかりの伝言内容から真相が発覚することを危惧するなんて、考え方が飛躍しすぎていて無理があります。
「中国蝸牛の謎」
 バカミスですが、作品のテーマである蝸牛に関連するトリックが使用されており、「チャイナ橙の謎」のオマージュにもなっていて、上手いと思いました。
「都市伝説パズル」
 ロジカルに犯人を推理する過程が楽しめました。私もこのロジックは見抜くことができました。
「ABCD包囲網」
 こんな回りくどい犯行計画を立てる人間が存在するとは思えません。この真相で、AとBの事件がこんなに短い間隔で起こるという設定にも無理があります。
「縊心伝心」
 ホームズばりの推理ですね。現場に〇〇があったことに読者が気付くのは難しいと思います。

やはり、「都市伝説パズル」が一番優れていると思います。

No.1 5点 頼子のために- 法月綸太郎 2010/04/29 16:37
 これは本格ミステリーではなく、サスペンス小説だと思う。
 読者に謎解きを求めているのではなく、ストーリーの進行に伴って次々と事実が明らかになり、最終的に意外な真相が明かされるといったタイプの小説だ。読んでいる際に真相と同じようなことを可能性として考えたが、必然性がないので決定付けることが出来ないのである。他の真相であっても十分納得できてしまう。
 法月が西村の手記を読んで、2つの疑問点を示し、推理を語る場面がある。1つ目は確かに手記を目を皿のようにして読めば気付くものであるが、もう1つの方は言われてみればそうかなと思う程度のものである。これらの疑問点も、西村が日を置いて手記を書いたために間違ったという解釈でも十分通用するのではないだろうか。
 登場人物間の愛憎が丁寧に描写されているので、ミステリー作品に登場人物への感情移入が必要と考えている人にはぴったりの作品だと思う(私にはそんな趣味はないが)。
 最後に影の犯人とも言うべき人物が示され、ホラー仕立てで終わっている。読み物としては面白いと思うが、私の志向するものとは違っていた。

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りゅうさん
ひとこと
 横溝正史の作品を集中して読んだ時期はありましたが、これまではミステリを文学の1ジャンルにすぎないと考え、特にミステリにこだわった読書をしてきたわけではありませんでした。このサイトの書評を見て、ミステリ...
好きな作家
あえて挙げると、ディクスン・カーと横溝正史
採点傾向
平均点: 6.53点   採点数: 163件
採点の多い作家(TOP10)
横溝正史(22)
アガサ・クリスティー(19)
鮎川哲也(10)
エラリイ・クイーン(9)
ジョン・ディクスン・カー(7)
有栖川有栖(7)
泡坂妻夫(5)
森博嗣(5)
麻耶雄嵩(4)
E・S・ガードナー(3)