皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
江守森江さん |
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平均点: 5.00点 | 書評数: 1256件 |
No.26 | 5点 | 密室入門!- 事典・ガイド | 2011/01/14 07:15 |
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2008年が初出の密室に対するミステリ作家と建築士の対談。
対談内で作品紹介しながら古典的トリックはネタバレで分類している(初心者でも知ってる程度なので問題なし) 現実の建築やセキュリティー事情と密室ミステリの関係なども面白く読める。 随所に図説があり、下段の脚注もシッカリしていて入門書らしい。 ワタシではない江守さんのプロデュースに縁を感じて+1点。 |
No.25 | 6点 | 有栖川有栖の密室大図鑑- 事典・ガイド | 2011/01/13 00:04 |
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有名密室ミステリ作品の舞台をイラスト図説とネタバレなしの有栖川解説で紹介しているガイド。
ネタバレなしなので原典作品を読まなければトリックは解らずモヤモヤする→原典作品を是が非でも読む→その時には傍らに置き、親切な図説がイメージを喚起する。 こうした循環を考えると凄いガイドだと思えてくるから「あら不思議!」 もっとも紹介作品に今さら読んでも的作品がチラホラあるのは残念。 現実世界では滅多にない密室殺人だが、創作世界ではまだまだ王者として君臨している(読者の側もよく飽きないものだ) こんな本が出版されるくらいだから密室ミステリには図説添付を義務付ければ良いのに! ※この後2chを覗いたら、国産ミステリに見取り図&登場人物一覧添付を・・・・なんてコメントまで書かれていた。 |
No.24 | 6点 | バカミスの世界 史上空前のミステリガイド- 事典・ガイド | 2011/01/12 11:47 |
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「バカミス」は特異な方向性に突出したミステリーに対する褒め言葉で、一部ではゴミと同義語な「奇書」「クズミス」「ダメミス」とは別物。
それでも、所詮「おバカ」なので生真面目な作者なら自分の作品を「バカミス」と褒められても嬉しくないだろう。 先日書評した山風「秘戯書争奪」がベスト100に選ばれていたのに口あんぐり。 泡坂「しあわせの書」は無駄な仕掛けに心血を注ぐ方向の「バカミス」ではパイオニアで、倉阪鬼一郎が‘年一’で発表継承している(倉阪作品は内容がクズミス・レベルなのが残念) 本書を読むと何でもバカミスに思えてくる不思議さもある。 ※ここからバカミス余談 海外リーガル・コメディ・ドラマ「ボストン・リーガル」はバカミス・ドラマだ! ウィリアム・シャトナー万歳!!! Foxで好評?放送中「破られたマジシャンの掟!」なんか「バカミス」ネタのオンパレードで凄い!(←プールの水面歩行、象の消失など本格ミステリからスリラーまで転用可能ネタ多数:要注意!!!但しマジックのネタバラシ番組なので知りたくない方の視聴は厳禁) |
No.23 | 6点 | ミステリー迷宮読本- 事典・ガイド | 2011/01/09 06:11 |
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国産ミステリを傑作から駄作(紛れている)までマニアックにならない程度に幅広く紹介している。
21のキーワード別に紹介されるのだが絶妙な分類になっている。 でも作家のスペシャルインタビューと流水大説は不要。 千街晶之が担当の「密室」「読者への挑戦」で紹介される作品は文中も含めほぼ既読な反面で、殆どの作品が未読な分野もあり、自分の読書嗜好の偏りが再確認できたのは嬉しい。 もっとも、嗜好を変える気はサラサラ無い。 よって、本書の巻末インデックスにある228作品中既読は63作品と少なかったが今更読むぞと気張りたくなる作品も殆ど無い。 |
No.22 | 4点 | 本格ミステリ全選評 2001~2010- 事典・ガイド | 2011/01/03 15:37 |
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本格ミステリ作家クラブ発足10周年記念企画の一つ。
わざわざ本書を購入せずとも本格ミステリ作家クラブのサイトで読めるし、本の造りが悪くサイトで読む方が物理的に読みやすいという最大の欠陥がある本。 各年度の選評を読んでの私の見解は、各年度の選評が最初に掲載された雑誌ジャーロの書評で個別に書く予定なので、ここではスルー。 十年分まとめて眺めれば年度によるレベル差がハッキリ認識出来る事だけが本書の存在意義。 プロの作家達が他人の作品をどう読んでいるか伺い知れるので選評の公表自体は素晴らしい事だと賞賛しておく。 |
No.21 | 5点 | ミステリ作家の自分でガイド- 事典・ガイド | 2011/01/03 14:26 |
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本格ミステリ作家クラブ発足10周年記念企画の一つ。
自らガイドする程の作品数がないので出版された作品をただ紹介するだけな作家まで掲載しているのが最大の欠点。 結構作品数がある作家達は自分内評価や作品の内輪話などが読めてそれなりに楽しい。 まあ自分のご贔屓作家の所を中心に一度サラッと眺めれば十分な本なのでわざわざ購入せず図書館で借りればよい。 資料的価値も地域内の図書館に一冊あれば事足りる。 最近は、一部の国内本格ミステリ作家達の自己満足団体と化している「本格ミステリ作家クラブ」の存在意義すら疑問に思っているが、紹介されている作品を結構読んでいる自己矛盾に戸惑う。 |
No.20 | 6点 | トリック・ゲーム- 事典・ガイド | 2010/12/19 22:54 |
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藤原宰太郎のネタバレ推理クイズ本の系譜に位置する作品。
しかし、さすが大物推理作家?!の山村正夫だけあり協力者の顔ぶれが凄い(中島河太郎・大横溝・高木彬光など) そんな事は関係無く、古典的内外有名作をダイジェストにしたネタバレ推理クイズ本(作者名のみネタバレ)としてのデキは酷い。 その反面、乱歩の「類別トリック集成」以外にトリック評論が無かった時代に、分かりやすさに重点を置きクイズ形式で章毎に傾向分類した素晴らしい分析本との評価もある。 ミステリー=二時間サスペンス程度な接し方の世の大多数の方々にとっては原典を読まないのだからネタバレなんて関係無く、ミステリー(推理する事)って楽しいと提起した功績の方が遥かに大きいと思っている。 パクリ作品や推理クイズのネタバレの影響で「原作で驚けなかった」なんて苦情は、〈パクリ作品や推理クイズを先に読んだ時の驚き〉と相殺される話だと思っている(←暴論と認識はしてるのでツッコミは勘弁) ※冒頭の挨拶文で「作者名のみのネタバレにし、作者の作品をあたる楽しみも残した」(←同様な表現で正確ではない)なんて書かれているのはご愛嬌。 |
No.19 | 6点 | シャーロック・ホームズの科学捜査を読む- 事典・ガイド | 2010/12/06 19:11 |
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先月AXNミステリーではホームズの大特集で、既視聴作品が殆どながら短編一括放送&長編にオリジナル脚本まで大量に放送され、つい先日まで録画視聴に追い立てられた。
そんなシャーロック・ホームズ満腹状態ながら図書館で目に留まり手に取った。 ドイルがシャーロック・ホームズで描いた科学知識&捜査は現在では島荘が主張する「21世紀本格」に通じる。 その意味では「19世紀本格」の解説書でもある。 小説の場面を引用しながらの科学捜査解説は非常に興味深い。 一方で、傑作ミステリとして成立させるには「最先端の科学捜査」の扱いは非常に厄介で、それ故に叙述トリック、人物描写主体、前時代設定やC・C設定など科学捜査の介入を限定する逃げ道のミステリが発展したと思い至る。 余計なお世話だが、翻訳が下手クソで科学知識の解説がサラッとは理解出来ないのが本書最大の欠点と指摘しておく(もっとも科学の勉強ではないので雰囲気だけ楽しめばよいのかもしれない) |
No.18 | 7点 | これからの「正義」の話をしよう- 事典・ガイド | 2010/11/22 03:51 |
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ハーバード大の政治哲学教授であるマイケル・サンデルの「白熱教室」と評判な対話式講義を平易に著した本。
政治哲学論が基本なので、一見ミステリーとは関係なさげな題材に思える。 しかし、提供される問題(題材)は法律や倫理観と絡め易く(実際に絡めたミステリーも多数存在する)講義内容を突き詰めれば動機や行動原理で魂を揺さぶるタイプのミステリーや法廷小説に到達する。 そんな事には関係なく、先日NHKで「ハーバード白熱教室」を観て是非とも読みたくて(図書館予約が千件オーバーで我慢出来ず)久々に新刊を購入したくらい面白い。 偶には距離を取った視点からミステリーを考えてみるのも悪くない。 |
No.17 | 6点 | 世界ミステリ作家事典 [本格派篇]- 事典・ガイド | 2010/11/14 23:18 |
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国産ミステリに主軸を置き、翻訳ミステリはごく一部かドラマ化作品視聴後のおさらいが中心なミステリ読者なので当然購入はしていない。
でも何故か数年前に丸一日(開館時間目一杯)図書館で眺めた事がある。 当時、ちょっとしたミステリ資料(ドラマ絡み)を作成したかったので近場の図書館をあたったが蔵書が無く、所蔵していた他地区の図書館まで出向いた。 しかも貸出不可で館内閲覧のみの貴重本扱いだった事(しかも書庫保管)に驚いた思い出がある。 そして、海外ミステリを楽しむには(未翻訳作品にモヤモヤ感があり)自力で原書を読める事が必須と痛感し、今更海外ミステリの為に語学を勉強する気力もなく海外ミステリへの興味が更に薄らいだ&国産ミステリ重視に拍車が掛かった分岐点でもあった。 ※追記:上記への批判に対する返答 他者のミステリーを楽しむ姿勢を批判するなど当サイトのマナー違反に該当するし、わざわざ書き込む大人げなさに呆れる。 翻訳とせず海外と敢えて書き区別したし、海外作品の海外での評価を論じるなら未翻訳作品は原書をあたる程度の努力はすべきだろうと主張しておこう。 私はそんな興味も努力する気もないので今まで通りの楽しみ方を貫く所存。追記終了※ 最近は、AXNミステリーで未翻訳作品等のドラマ化なども視聴しているので、当時作成した自前の資料は結構重宝している。 なんやかやで‘凄い仕事’ではあるが私には‘無用に近い仕事’なので6点。 ※国内ミステリードラマに詳しい人と共著で「世界ミステリー映画・ドラマ事典」を作成してくれないだろうか! |
No.16 | 5点 | この海外ミステリードラマがすごい!- 事典・ガイド | 2010/10/14 17:53 |
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「このミス」の番外編的なガイド雑誌なので雑誌扱いで一律の3点で済まそうと思ったが海外ミステリードラマのガイドが他に見当たらない独自性&有用性を評価して2点加点した。
残念ながら3年前の発行で、それ以前に地上波以外も含む日本国内で放送があった作品に限られるので現在の有用性は下がっている。 しかも「このミス」の番外編らしくドラマ分野でもミステリーの範疇が広範過ぎるし、著者にもミステリー分野に軸足を置いた人が1人も居ないので海外ドラマガイドに終始するきらいがあり、ミステリー分野のガイドとしては欠陥品なのが残念(歴代ミステリードラマ特選で「エラリー・クイーン」を漏らす辺りに如実に出ている) それでも、ミステリーと科学捜査の融合に成功した「CSI」の3シリーズや「NCIS」やコメディ・ミステリーの傑作「名探偵モンク」更に、霊能者設定を上手く処理してミステリとしても面白い「ミディアム」等の紹介は現在のドラマ視聴に大変重宝している(先日、タイミング良く古本屋の100円コーナーで購入した) 欲を言えばミステリー分野の著者(大倉崇裕を是非)も含みながら3年周期程度で出版してくれないものだろうか! そうなれば「奇術探偵ジョナサン・クリーク」「クリミナル・マインド」「ヴェロニカ・マーズ」「マードック・ミステリー」「華麗なるペテン師たち」「レバレッジ」「LAW&ORDER:CI」「メンタリスト」等のドラマオリジナル作品や「バーナビー警部」「フロスト警部」「クルト・ヴァランダー」「ダルジール警視」「ネロ・ウルフ」等の原作有ドラマも紹介されドラマ視聴が一層楽しめるだろう。 ※好きな海外ミステリードラマBest5 「名探偵モンク」 「奇術探偵ジョナサン・クリーク」 「LAW&ORDER:CI」 「NCIS」 「メンタリスト」 |
No.15 | 4点 | ミステリーファンのための古書店ガイド- 事典・ガイド | 2010/08/24 13:13 |
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大学時代長期休暇(主に春・冬、夏はバイト)に日本全国公営ギャンブル場巡りをしていた。
深夜バスや青春18きっぷを利用し移動費は抑え、宿泊場所は知人宅やサウナなどを利用した。 同時に、その土地のパチンコ店(当時は地域特性があった)と古本屋(半分セドリ目的)を巡っていた(電話帳と地元の地図を利用) その当時に発行されていれば必携書だったのだが! 高額覚悟ならネット・オークション、読むだけでOKなら図書館ネットワーク(今の私はコレ)、マニア本なら逆に掘り出し物があるブックオフ、と昔ながらの古本屋は利用者側のメリットが激減した(近所の古本屋も店舗販売は苦戦しネット販売にシフト中) たしか四年前だったが、書店で見かけ昔訪れた地方の古本屋が生き残っているか懐かしく眺めたが実用書として購入する気には全くならなかった。 種を問わず流通業はネットと大型チェーンの普及で消費者は便利になった反面、中型以下の小売店は壊滅寸前な気がする。 ※私的な東京古書店街ガイド(何ら役に立ちません) 神保町の古書店街はお茶の水駅から坂を下って三省堂で右折し神保町交差点を一度行き過ぎて引き返し、交差点を左折して水道橋駅に至る巡回ルートが効率的だった(近年、閉店により刃こぼれしている) 早稲田の古本屋地帯は購入し重くなる本を持って歩くには坂と点在に問題を抱える。 巡るには体力と覚悟が必要。 |
No.14 | 6点 | 紙上殺人現場- 事典・ガイド | 2010/08/16 19:03 |
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書評されている60年代はカラーTVが漸く普及した時代で、松本清張により探偵小説が駆逐されて以降の不毛時代でもあり、残念ではあるが対象作家&作品の殆どが今では(一部マニアにしか)見向きもされない作品のオンパレードになってしまったのも時代の流れだろう。
書きなぐりで量産した作家&作品を貶して推理小説の行く末を危惧しているが、カラーTVの普及に合わせ二時間ドラマ原作レベルな作品が量産され始めたし、ネームバリューや映画と抱き合わせでしか本が売れない現在の出版不況は皮肉に思える。 高木彬光作品の出来・不出来は適切に評されていると思うが、島田一男の持ち味を貶して、欠点を褒めていたり、鮎川哲也に対する依怙贔屓には納得いかない面がある。 それでも嗜好に共通点があり書評に頷ける点も多い。 今更、この書評をガイドに作品をあたる必要性は感じられないし、書評された作品群と共に図書館の書庫に眠っていても致し方ないだろう(5点) そんな中で唯一の救いは梶山季之をミステリーの範疇に含めながら褒めている事だった(もっとも、一番の持ち味であるスケベなサービス精神はセーブすべきとの忠告には「余計なお世話だ!」と感じたが) タイトルから本格一辺倒な書評と思っていたら梶山季之が語られ、驚きと嬉しさで1点加点した。 |
No.13 | 5点 | アガサ・クリスティー百科事典- 事典・ガイド | 2010/08/15 14:15 |
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長編は1ページ1作品、短編集は収録作品それぞれ、戯曲、普通小説、紀行、自伝まで紹介する作品事典。
更に、作中人物・アイテム事典。 戯曲初演、映画、テレビ化作品一覧(AXNミステリを観るのに大変参考になる)、年譜。 所々に挟まるティータイムと題したコラムまで、丸ごと一冊クリスティーな本。 私的には「アガサ・クリスティを訪ねる旅」と対になるクリスティー・ガイドだと思う。 |
No.12 | 3点 | ギャンブルのトリック- 事典・ガイド | 2010/07/10 22:41 |
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マジックのタネ本の類だが、ギャンブルのイカサマの手口を分類紹介していて、それがミステリのトリックに通じていて参考になる。
そのトリックが使用された実話やミステリ(カー)や映画(スティング)などもボカシながら紹介していて楽しめた。 基本的にはカード・コイン・ロープのトリックを中心に図解付き。 |
No.11 | 6点 | 鮎川哲也の論理 - 事典・ガイド | 2010/06/12 14:19 |
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副題:本格推理ひとすじの鬼
鮎川哲也の評伝及び作品解説を、古典ミステリ史からアンソロジー編集まで絡めながら纏めた本。 「全行これ伏線」「作中で大胆に大法螺を吹く稚気」は鮎川哲也を評するに相応しい。 今ではノスタルジーを擽るだけな代物だが時刻表添付ミステリは、当時としては画期的発明であったと思う。 私的には「私だけが知っている」や鮎川原作でコロンボ〜古畑の系譜にある幻の推理ドラマ「チェックメイト78」(放送当時観ていた)について触れていたのが感慨深い。 作品解説的内容部分でネタバレも多々あるので、鮎川の代表的作品を先に読んでいる事が前提だが、読んでいれば裏話等々楽しめる。 |
No.10 | 5点 | 江戸川乱歩 コロナ・ブックス- 事典・ガイド | 2010/06/05 03:33 |
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巨人の名前を冠した本なので、同タイトルの本が何種類もありそうだ(そこまでの乱歩マニアではないので詳細不明)
今回、私が書評するのは1998年にヴィジュアル・シリーズとして発行されたガイドブック。 ふんだんに写真が掲載されながら、縁の場所・人物像・作品(6作品の一部を掲載)を紹介していて、江戸川乱歩資料館を訪ねた雰囲気が味わえる。 更に、乱歩事件図は実在した東京市の地図上に印を付け、次ページで事件と作品を記していて、持参しながら東京散策をしたくなる。 そして目玉は「乱歩を読み解く十三語(キーワード)」で、各ワードに各々十三人のエッセイを掲載している。 「ユートピア」では、SM小説の大御所・団鬼六が、乱歩を夢幻の官能世界を描いた変態小説と言っている。 他では「探偵」での都筑道夫のエッセイも楽しい。 俳優の佐野史郎までエッセイがあるが、当時の芸風は乱歩的だったからなのだろうか? |
No.9 | 6点 | 名探偵ベスト101- 事典・ガイド | 2010/05/28 03:34 |
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国内外混合で、ホームズ以降になる1901年から25年区切りで4ブロックに分け、1作家1名で101人の名探偵を紹介している(ランク付けはしていない)
古い年代は圧倒的に海外の名探偵を紹介しているが1976年以降は国内が多くなり海外63名:国内38名の割合になっている。 見開き2ページで1人の紹介で、名探偵の能力をレーダーチャート化したり、下段5分の1でその探偵を理解するための作品(その探偵あるいは作家以外でも影響下にある作品など)を4作づつ紹介しガイドとして工夫されている。 非常に素晴らしいと思うのだが、唯一の欠点として、御手洗潔、明智小五郎、星影竜三など不可欠と思える名探偵が紹介されていなかったり、ポアロでなくマープル、神津でなく墨野、江神でなく火村、加賀か湯川でなく天下一など疑問の残る選択がされている。 それでも、この本を眺めながら自分の名探偵ベスト10なんかを考えるのは楽しい。 |
No.8 | 6点 | 本格ミステリ・ベスト100- 事典・ガイド | 2010/05/21 22:23 |
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オールタイム(古典的名作の再評価を排除)ではなく1975~1994(出版前年)まで20年間の国内・本格ミステリをランキング形式で紹介した本で、本格ミステリ・ベスト10の原型或いは試作品。
巻末では、ランク漏れしたが注目すべき作家7人(梶龍雄・森村誠一など)を作品名を挙げて紹介している。 国内の本格ミステリ好きなら読んでいなくてもタイトルくらいは全て知っているだろう作品がランクインしているのでガイドの意味合いは薄いし、じっくり評論されている訳でもない。 細かな順位も納得しかねる人が多数かもしれない。 順不同で25位以内・50位以内・~100位程度に大雑把にして、下位の方の紹介を優先したり、埋もれているが見所ある作品を重点的に紹介すれば、もっと良いガイドになっただろう。 その意味では、素晴らしいガイド本である「本格ミステリ・フラッシュバック」の原型或いは試作品でもあると言える。 見た目は冴えない本だが、国内本格ミステリの発展に貢献した意義ある一冊であるのは間違いない。 |
No.7 | 6点 | もっとすごい!!『このミステリーがすごい!』 - 事典・ガイド | 2010/05/21 18:23 |
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20周年記念永久保存版と銘打たれている。
‘ 88〜‘08のベスト・オブ・ベストを国内外各40位まで新たに投票し選出している(眺めるだけでも楽しい) 但し国内作品に関しては、90年代の作品が票を集める傾向が強い、各年のランキングとの評価矛盾が大きい、以上2点で信頼度は下がる。 国内だけだが歴代1位作家インタビューもファンには嬉しいだろうし、20年分の各年のランキングを眺めると年度別の作品レベルや嗜好の方向性も見えてきて楽しい。 現代ミステリー史の1ページとして保存意義は大きい。 |