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虫暮部さん
平均点: 6.22点 書評数: 1706件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.6 8点 ふたりの距離の概算- 米澤穂信 2010/10/23 08:16
 手がかりを限定して小出しにする設定が巧み。途中に出てくる小さな謎も面白い。そしてこの作者の作品は、きっちり大団円に着地しないで幾分かの後味の悪さが残るところが良い。
 あと、装画のキャラクターにあまり顔は描かないで欲しい。イメージが崩れる(または限定される)。

No.5 9点 インシテミル- 米澤穂信 2010/10/20 14:23
 読みながら、犯人を推理、ではなく、どうすれば効率的に殺せるか、を考えてしまった。
 ところで、「犯人」の報酬計算が間違っていないか。「助手ボーナスは累積しない」のだから、倍率は「2×2×3×3+0.5」になるのでは。文庫版でも直っていなかったけど。

No.4 7点 闇の喇叭- 有栖川有栖 2010/10/15 10:36
 戦争云々の書き方はやや紋切り型な気もするが、「こういうことを言っておきたいんや」という作者の思いは伝わって来たと思う。
 殺人事件の背景が、ラストで説明されるまでほとんど表に出てきていない点がイマイチ。
 あと細かいことだが、序章で、ロシア人の心情を「思い返せば、『屈辱の二文字』のみだが~」と表現しているのでアレッ?と思ったのだが、これは意識的な遊びなのだろうか。

No.3 5点 殺してもいい命- 秦建日子 2010/10/09 11:08
 推理小説の“お約束”の壁を確信犯的に壊してゆく様は痛快。単純にストーリーとしても面白い。
 しかし、読み終えてみると納得出来ない。
 ネタバレにならないよう慎重に書くが、犯人がカムフラージュのために変に動きすぎているような気がする。かといって、ついつい動いてしまうキャラクターの心理的な裏打ちも不充分だと思う。
 また、非常に魅力的なタイトルなのだが、これがちょっと羊頭狗肉気味。この点でも期待しすぎた。
ということで評価に迷います。
 (尚、私はシリーズのTvドラマ は一切未見。)

No.2 5点 リスの窒息- 石持浅海 2010/10/09 10:21
 ネタバレに配慮しつつツッコミを。
 1.自分の痕跡を消すと、本来そこにあるはずの別の人の痕跡も消えてしまうので不自然な現場になるはず。
 2.或る人に或るものを見せると驚くだろうからそれを時間稼ぎに使える、というのは希望的観測に過ぎるのではないか。むしろ質問責め、または「危険だからそばを離れるな」とかいう展開の可能性が高いのでは。

No.1 4点 トリック・シアター- 遠藤武文 2010/10/09 10:17
 事件関係者の行動を充分説明するだけの裏打ちとしての心理描写が足りないと思う。「被害者」たちは何故そんなことをしたのかよく判らない。行動自体は面白いのだけれど、「人物」ではなくてゲームの駒のようだ。

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虫暮部さん
ひとこと
好きな作家
泡坂妻夫、山田正紀、西尾維新
採点傾向
平均点: 6.22点   採点数: 1706件
採点の多い作家(TOP10)
山田正紀(89)
西尾維新(69)
アガサ・クリスティー(64)
有栖川有栖(50)
森博嗣(48)
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