皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
まさむねさん |
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平均点: 5.86点 | 書評数: 1160件 |
No.40 | 5点 | Pの密室- 島田荘司 | 2010/05/05 18:49 |
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個人的には「鈴蘭事件」の方が良かったですかね。サラッと楽しめましたから。幼稚園児って設定は…まあ面白かったから良しということで。
表題の方ですが,建物見取図が「一部ずつ」開示されている時点で…。小学校低学年の御手洗が「占星術」時代よりも圧倒的に「オトナ」であったところが見どころでしょうか…。ちなみに,私は,人間味のある占星術時代の御手洗の方がいいなぁ。 |
No.39 | 5点 | 疑惑- 折原一 | 2010/05/04 23:59 |
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軽いタッチで読み進めやすい短編集。
現実的にどうかとか,そんなことを考えず読み進めていくのが良いかしれませんね,この作品は。 |
No.38 | 5点 | 上高地の切り裂きジャック- 島田荘司 | 2010/05/01 22:55 |
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中編2本で構成。
いすれの事件も「謎の不可解レベル」は申し分なし。 (以下,ネタバレ含む。) ただし,「上高地の~」については偶然性があまりに強すぎる感が(しかも何となく2時間ドラマっぽい),「山手の~」は強引すぎる感が(隠し通路って…),それぞれ否めないような気がします。 |
No.37 | 5点 | 絶叫城殺人事件- 有栖川有栖 | 2010/04/29 09:16 |
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6つの短編集。すべての短編名が,「『建物名』殺人事件」で統一されています。
ちなみに,建物名が付されているからといって,「密室モノ」に特化しているわけではありません。 一番よかったのは,表題にもなっている「絶叫城殺人事件」。 トリック云々でなく,雰囲気としては「黒鳥亭殺人事件」も好きですね。 その他の短編は…標準レベルでしょうか。 |
No.36 | 10点 | 占星術殺人事件- 島田荘司 | 2010/04/18 18:11 |
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その後の作家に与えた影響も考えると,日本ミステリ界の至宝といってよい作品。
しかし,改めて某少年漫画の罪深さを感じる… |
No.35 | 6点 | むかし僕が死んだ家- 東野圭吾 | 2010/04/16 22:14 |
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舞台移転が基本的になし,登場人物2名のみ,あとは日記と手紙…。この限定的な状況下で読ませてしまうのは,さすがとしか言いようがありません。
(以下ネタバレあり) ただし,当初から「出生(というか幼年期の)失われた記憶探し」という,結末が一定程度想像しやすい謎であるせいなのか,はたまた「猫」や「玄関脇の絵画」等の伏線が分かりやすすぎるせいなのか,それとも日記や手記の記述がいかにも“叙述トリックですか~”のせいなのか,いずれにしても驚愕の結末ではなかった。むしろ,「彼は結局のところ無関係なわけね。ある種騙された!」 でも面白かったですよ。 |
No.34 | 8点 | 秘密- 東野圭吾 | 2010/04/11 17:49 |
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純粋なミステリではないので,この点数にしましたが,小説として見れば秀逸。素晴らしい。
切ないし,泣ける。 主人公も妻も娘も,結婚相手も,みーんな切ないなぁ。読み終えた後,「秘密」の真意を噛み締め,しばしため息が…。ホントにこれで良かったのかな~などなど考えながら… |
No.33 | 7点 | 赤い指- 東野圭吾 | 2010/04/10 21:42 |
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ミステリ要素云々は置いておきまして,純粋に良作。
教育・介護・家族…考えさせられますね。本当に東野さんは,うまい。 加賀恭一郎もピタリはまってますしね。いとこの松宮も良い。 後半はページをめくる手が止まりませんでしたが,ミステリ性を期待していた人はどうなんだろう?人間ドラマとして読んだほうが楽しめるかもしれません。 しかし,馬鹿餓鬼とその母には相当ムカムカしますよ。ご覚悟を。 |
No.32 | 5点 | 笑う警官- 佐々木譲 | 2010/04/10 21:25 |
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テンポがよく,楽しめました。
ただ,実際の事件をヒントにしている割には,現実感がない。警察の隠蔽体質はそのとおりなのだろうが,百条委員会への証人出席阻止のために「射殺命令」を出しますかね。近未来国家が舞台ならいいのですが…完全に現在を舞台にしてるしなぁ。 それと,「うたう警官」から「笑う警官」と改題したことについては,他の方と同様に意味不明です。絶対に「うたう」の方がしっくりくる。あとがきに,角川春樹顧問から改題の打診を受けたと書いていますが,言い訳でしょうか?組織内(?)力学に弱いとすれば,作風と相当に違うような気が…ああ!むしろ弱いからこその,この作風なのか! なんてことまで考えてしまいました。 |
No.31 | 8点 | 水車館の殺人- 綾辻行人 | 2010/04/03 17:35 |
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全体の雰囲気は,大変素晴らしい。
まあ,主人が仮面をかぶっているあたりとか,死体がバラされているあたりとか,すべて「想定内」のトリックではありますが,その散らし具合、パズルのピースを丁寧に当てはめていくような解決までの構成力は,改めて評価されてもよいと思う。 現在と過去が交互に語られる構成も,私は好きです。 |
No.30 | 7点 | 背の眼- 道尾秀介 | 2010/03/24 23:13 |
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「ホラーサスペンス大賞特別賞」受賞作品であるが,作品構成は,ホラーサスペンスというよりも「本格ミステリ」と言っても決して過言ではない。冒頭からのいくつもの謎,慎重な(むしろ慎重すぎるかな…)伏線,そしてそれらの謎と伏線を不足なく回収した上での理論的な解明。デビュー作品としては,特に構成力という面において,相当良質な作品であると思う。
無論,全体的に冗長すぎるし,表現の拙さも多々ある。さらには,某作家の某シリーズとの露骨ともいえる類似性など,否定的な視点で見れば,色々と意見はあるかと思う。 しかし,そこを敢えて脇においてこの作品を読んでみたい。この作家のその後の評価・活躍を十分に予測させる潜在能力を感じたのは私だけでしょうか。 |
No.29 | 5点 | 花と流れ星- 道尾秀介 | 2010/03/21 10:40 |
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どの短編も決して悪くはないのだが,作者の他の長編に比べればキレもパンチ力も物足りない。
「流れ星のつくり方」は,作者らしさを感じたが。やはり「少年主人公モノ」に長けているのでしょうか? |
No.28 | 6点 | 深追い- 横山秀夫 | 2010/03/19 21:03 |
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お得意の県警+個人心理+短編モノ。
地味で渋い短編ぞろいだが,すべての作品が平均点を軽くクリア。この安心感というか安定感はすごい。 |
No.27 | 5点 | ジーン・ワルツ- 海堂尊 | 2010/03/18 20:42 |
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唯一といってもよいミステリー的要素の「答え」はすぐに察しがつく。ミステリーの色合いは相当に弱い。
しかし,さすが現役医師の作家らしく,非常にトピックでかつ国民的に関心が高いテーマについて,専門的知識をうまく織り込みながら構成されており,純粋にためになったし,楽しめた。 ロジカルな議論で相手を打ちのめすシーンとか,司法や某省庁をけちょんけちょんに書き落とす「海堂節」は,かなり食傷気味なのですが…まあそれはそれで。 |
No.26 | 6点 | 犬はどこだ- 米澤穂信 | 2010/03/08 21:30 |
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基本的に探偵と助手の2視点での一人称ですが,何ら違和感なく入り込めます。(まあ,読者としては両視点での情報を入手しているだけに、「互いに報告しとけよ」っていうもどかしさもあるでしょうが…)また,時折織り込まれている,チャットやログなどの「電子的文章」がいいアクセントになっており,素直に読み進めやすいですね。
後半~ラストは,好みの問題もあると思いますが,私は「余韻」というよりも,やや中途半端なイメージが残りました。 しかし,各キャラクターがなかなか魅力的で,純粋に楽しめます。シリーズ化が楽しみ。 |
No.25 | 7点 | 動機- 横山秀夫 | 2010/03/05 21:41 |
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さすが短編の名手。内面の葛藤を描く巧みさには脱帽です。
よかった順に,逆転の夏⇒動機⇒密室の人⇒ネタ元 でした。 特に「逆転の夏」は,横山氏にしては珍しく(?),「職業人」モノとは異なった視点で深みのある作品。 逆に「ネタ元」は標準レベルかな?ということで,総合的にこの採点となりました。 |
No.24 | 5点 | そして名探偵は生まれた- 歌野晶午 | 2010/03/01 23:07 |
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4つの中短編。作品ごとに差がありすぎ(?)と感じたため,採点は控えめになりました。
よかった順に書評を。(一部ネタバレあり) ①「生存者、一名」 スリルもあり,「なるほど」と思わせる箇所もあり,超良作。中編でここまで表現できるのは素晴らしいのヒトコト。読後の余韻の中,「題名」について考えざるを得ないあたり,さすが歌野さん。 ②「館という名の楽園で」 結構前段階で「館」トリックが概ね分かってしまう方が多いのでは… 中編で「館モノ」にアタックした意気込みと,ラストの仕掛け(?)は買います。 ③「夏の雪、冬のサンバ」 トリックにかなり無理があると思いますが(傾きすぎ!),国際色豊かな点は悪くないかな?(まあミスリードの一部ですが) ④「そして名探偵は生まれた」 作者の「ねらい」はどこにあったのか、ややつかみかねますね。中途半端な印象が…。 |
No.23 | 8点 | 葉桜の季節に君を想うということ- 歌野晶午 | 2010/02/22 21:52 |
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例の叙述トリックのインパクトが強く(きれいに騙されました…),そこだけに目がいきがちですが,それ以外にも「歌野らしさ」が散りばめられており,楽しめました。
テーマも奥深いものがあり,非常によいですね。読み終えたあとに,改めてタイトルを噛み締めざるを得ないところもにくい。 サクッと読んで,サラッと騙され,ググッと考えさせられた,そんな印象です。 |
No.22 | 4点 | 名探偵の呪縛- 東野圭吾 | 2010/02/20 21:10 |
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作者の“本格”に対する認識を伺う意味では,おもしろい。
ただし,導入部(第1章)が冗長すぎること,「結局この数ページが書きたかったのね」と最終的に思ってしまう点がやや残念でした。 天下一探偵モノとしては,前作のほうが良ですね。 |
No.21 | 6点 | どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 | 2010/02/14 23:36 |
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犯人を教えてくれないってのが,面白い発想ですよね。
私の場合,そのことを知っていたので,純粋に「犯人当て」として読み進めました。もちろん,単なる犯人探しではなく,加賀刑事と被害者兄との攻防(?)も楽しめるので,そのあたりはさすがといったところですが。 (以下ネタバレ有) 犯人は「袋綴じ解説」(文庫版で読んだので…)を読後に分かったのですが,「利き腕」だけで確信していいの?別の可能性も否定しきれないのでは?(犯人以外の方が,たまたま犯行時に☆手を使ったに過ぎないとか,むしろわざと☆手を使ったのではとか)そう考えると,実は…という「もやもや感」も正直ありました。まあ,絆創膏の件もあるし,犯人はあの人なんでしょう…と自分で納得させました。 以上はさておき,小説自体が面白い試みであることには間違いないですね。 |