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[ 本格/新本格 ]
さよならドビュッシー
岬洋介シリーズ
中山七里 出版月: 2010年01月 平均: 6.07点 書評数: 29件

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宝島社
2010年01月

宝島社
2011年01月

No.9 9点 蟷螂の斧 2012/10/04 19:12
映画化決定(2013年春公開予定)。これは絶対観に行きますね!。著者の作品は「カエル男」しか読んでいませんが、強烈な印象(採点9)が残っています。それにひきかえ、本書は音楽感動ものらしいとのイメージしかなかったので、これまで敬遠してきました。しかし、読んで大正解でした。ミステリーのことなどすっかり忘れ、音楽にのめり込んでしまいました。今、ギターを弾きたいがために指のリハビリ中(かなり痛い)なので、主人公に感情移入してしまいました(笑)。他の方と違い、かなり単純なので、ミステリーのオチ、こんなラストが待ち受けていようとは思いもよりませんでした。ビックリです。

No.8 7点 ようじろう 2012/03/16 23:38
ここらが限界でしょう。
活躍ぶりは目覚しいですから、今後に期待ですね。

まあ普通にオチはビックリしましたし、音楽描写は秀逸でしたから、頭一つ抜き出てはいたな、と。
カエル男も読んで見ます。
しかし勉強不足ですかね、オチを変な風に予測しちゃったもので、勝手に騙されてしまいました。反省。

No.7 6点 まさむね 2012/03/03 11:13
 音楽青春小説としては,純粋に楽しめましたね。特に,ピアノ演奏シーンの描写力は素晴らしい。音楽的素養の全く無い私ですら,クラシックをじっくりと聴きたくなったほど。
 一方,ミステリーとしては正直「分かりやすい」ですし,それほど評価することはできません。ミステリー要素だけで見れば,『このミス』大賞で同時に最終候補に残った「連続殺人鬼カエル男」(応募時は別タイトル)の方に軍配が上がる気がします。(勿論,同一作家の複数作品が最終候補に残ること自体が凄いコトですけれども。)
 しかし,「どちらの作品の方が惹きこまれるか」という観点で言えば,私はこちらの作品に1票。実際の受賞作も本作(まぁ,『このミス』大賞のコンセプトからすれば,妥当なのでしょうが)。
 よくよく考えてみれば,「オチは分かっているけれども,ページをめくる手が止まらなかった」という事実は,私にとって珍しいコト。筆力は高いと思います。

No.6 7点 E-BANKER 2012/01/21 21:31
第8回「このミス」大賞受賞作。
ミステリー・プラス・音楽スポ根(?)とでも言うべきか・・・

~ピアニストからも絶賛! ドビュッシーの調べに乗せて贈る音楽ミステリー。ピアニストを目指す遥、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、一人だけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが、周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生するが・・・~

素直に楽しめしたし、面白かった。
他の方の書評のとおり、ミステリーとしては確かに稚拙かもしれないし、オチも分かりやすい。
それは認めます。
特に火事の場面の伏線があまりにも分かりやすくて、ラストの大オチもミステリーを読み慣れた読者なら予想はつくはず。
「殺人」についても、これでは無理やりミステリーっぽくするために、取ってつけたような感じが拭えない。

それでも、作者の筆力というか、読者を引き込む力というものは確かに感じた。
「クラシック音楽」は全くの門外漢だが、いつの間にか頁をめくる手がやまなくなるような感覚・・・これこそやはり読書の醍醐味だろう。
(まぁ、ミステリー的評価とは本来別かもしれないが・・・)

次々と新作を発表する作者の力量はやはり確かだったということかな。
(全身皮膚移植というのは、現代の医学的に見てもリアリティのあることなのだろうか?)

No.5 6点 シレン 2011/09/20 17:03
音楽を題材とした青春小説と考えるならもう少し評価は高くなるはず。
他の方のコメント通り、ミステリーとしては……?ですね。
音楽に関するの描写はすごく、今までクラシックに興味ない人間でしたが聴いてみようかな、という気にさせられました。

No.4 5点 kanamori 2011/07/20 20:34
火傷でハンデを負った女子高生が、天才音大講師の特訓を経てピアノコンクールの最終選考に臨むというスポ根的「シンデレラ」ストーリー、をミスディレクションにしたミステリ。
正直なところ、クラシック音楽の素養が全くないので、この部分は退屈に感じてしまった。お話も類型的。
肝心のミステリ部分は、第1章最後の叙述の技巧など面白いのだけど、火傷と莫大な遺産の相続人になる女性という設定が某フランス・ミステリそのまんまなので、序盤で仕掛けが分かってしまった。

No.3 8点 虫暮部 2011/06/08 16:04
 ミステリとして面白く、青春音楽小説としても非常に楽しめた。そして後者の要素がミステリに於けるミスディレクションとして上手く機能していると思う。
 クラシック音楽の演奏の良し悪し、というか“良い演奏と、物凄く良い演奏の違い”は熱心なリスナーでないとなかなか判りづらい。この作品を読んで、自分にもそういう鋭い耳があるように錯覚してしまうのは、筆力のなすところだと思う。
 ところで、応募の時点では『バイバイ、ドビュッシー』だったタイトルを刊行時に変更したとのことだが、それで何が変わったのだろうか。不思議だ。

No.2 5点 3880403 2011/04/05 23:29
途中がかったるいというかミステリっぽくない気がする。
ラストも想像出来た。

No.1 5点 江守森江 2010/07/17 08:28
「このミス大賞」大賞受賞作で、スポ根風・青春ピアニスト・ミステリ。
火事で全身に火傷を負った少女が天才的な先生を得てピアノ・コンクールに挑戦するスポ根物で、学園内でのイジメやコンクールでの強敵出現などベタベタな展開だが、クラシック音楽が好きなら楽しいだろう。
ハッキリ言ってミステリ部分は完全なオマケでしかない。
※ここからネタバレ要注意!
探偵役(ピアノの先生)の気付きと伏線には見所があるが、大枠のプロットは「犬神家の一族」と「アクロイド殺し」の合成なので褒めたくない。
更に、下らない叙述や「このミス大賞」先輩作家の海堂尊に媚びた表記などはあざとく、削った方が良かったと思う。
エンターテインメントとしてベタなスポ根部分が楽しかったので5点にしたがミステリとしては3点。
まがりなりにもミステリー系の新人賞で「アクロイド」の技法を用いた作品を選考するなんて何を考えているのだろう?!
「トリックの著作権切れ(そんなのナイ)だからバンバン転用しましょう!」って事なのだろうか?


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