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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
パノラマ島奇談
江戸川乱歩 出版月: 1969年01月 平均: 6.07点 書評数: 15件

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講談社
1969年01月

講談社
1978年10月

春陽堂書店
1987年06月

光文社
2004年08月

沖積舎
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No.15 7点 みりん 2023/09/13 21:17
冒険モノを期待して読むと耽美で絢爛な幻想小説でした。
ここまでこの舞台を映像で見せてくれ!!と思わせたのは初めてで、パノラマ島の幽玄な描写に魅了されました。初恋の女性かずっと夢見たユートピアのどちらを選び取るのか見届ける作品でもあります。


江戸川乱歩の文章は咀嚼するのにカロリーを消費しますが、味があって素敵ですね。

No.14 6点 虫暮部 2022/05/09 11:47
 妻は島に閉じ込めれば済むのであって、殺す必要は無かったよね。その点にどうしても譲れない状況や心情がきちんと設定されていると良かった。
 パノラマ島の様相は盛り過ぎで胃もたれする。モテキ神輿? なんて思っちゃ駄目だよ私。

No.13 5点 モグラの対義語はモゲラ 2021/04/19 16:05
ミステリとして面白い作品ではなく、幻想小説というか、パノラマ島の非現実的な描写を楽しむ作品だったなという印象。その辺りが一番惹きこまれた。描写に明らかに熱がこもっており、またその世界を実現させるために使った技術がぶっ飛んだ物でないのが良い。今こういう作品を書くとすると、CGだのAR技術だのが入ってきてしまいそうで、それらを使ってしまうとこの小説程の浪漫は出せない気がする。
一応、ミステリらしい謎と解決的な要素はあるのだが、まあそれは別に巧みな推理というわけではない。
単純に読み物として面白く、恐らく人を選ばない文章で、オチが個人的に好きな一方、先述の通りミステリとして楽しめるわけではないので5点。

No.12 5点 じきる 2020/08/30 18:54
異様なパノラマ島の描写が魅力な幻想的作品。

No.11 8点 mediocrity 2019/02/21 23:20
バッドエンディングと化した理由が何とも皮肉だ。
パノラマ等の幻想的な描写が美しい。

No.10 6点 ミステリ初心者 2018/10/27 11:19
ネタバレをしています。

 角川ホラー文庫の、江戸川乱歩ベストセレクション⑥のパノラマ島綺譚です。石榴も収録されていました。

○パノラマ島綺譚
 人見の作った人工楽園の描写が、なにかすごく不気味に感じられました。最後、人見の爆散自殺を前にしても、あまり騒がなかった楽園の人たちにも、妙に恐怖を感じました。
 その一方で、過去に見た江戸川乱歩の短編よりかは狂っている度合いが低く、割かし主人公もまとも(?)に思えました。また、私の読解力が低く、人工楽園の世界もどの程度頭の中で映像化できたかわかりません;; 

○石榴
 個人的には、こちらのほうが好みでした。話の展開的には、旅館で知り合った猪股という紳士は"谷村"か"琴野"だと予想しましたが、結局はっきりとはわかりませんでした。自分の存在を消すために用意したトリックは面白かったです。実は途中、絹代が2人を殺した展開もあるのかとも思いましたw


No.9 5点 文生 2017/11/01 17:01
明智小五郎がお約束的に登場するもののミステリー要素はほとんどなく、幻想小説風味に仕上げられた作品。みどころはパノラマ島の異様な光景なのだが、今となってはそれほどのインパクトない。逆に、世界観を全面に押し出した分、ストーリーに起伏が乏しく、やや退屈に感じられるのが残念なところである。

No.8 8点 斎藤警部 2015/10/24 23:18
極めて非現実的な光景がいともやすやすと
目の前にありありと浮かび上がるのは何故だろう。
素敵だ。。。。。。。。  

No.7 4点 ボナンザ 2014/04/07 22:02
夢ある中編。乱歩ワールド全開。

No.6 5点 haruka 2013/02/06 02:37
つまらなくはないけど、ミステリとしての評価は平凡かと。パノラマ島の描写を楽しめるかで評価が分かれるのかも。

No.5 6点 蟷螂の斧 2013/02/05 15:29
東西ミステリーベスト100の87位(1985年版37位)倒叙ものですが、ミステリーというより幻想小説になるのでしょう。パノラマ島の描写が長いのですが、シュールな感じで、結構楽しめました。海中トンネルなどは、八景島シーパラダイスなどの先駆けになっていると思います。

No.4 7点 TON2 2013/01/21 18:37
講談社「江戸川乱歩全集3」より
 うり二つの男が富豪にに成り代わり、妄想として描いていたパノラマ作成の夢を実現していく。
 パノラマ島の様子は文章のみで語られますが、実際に一度はこの目で見てみたいと思いました。(浅草にあったというパノラマ館なる見世物にも興味がわきます。)

No.3 6点 E-BANKER 2012/06/10 18:51
乱歩代表作の1つとも言える本作。今回、角川ホラー文庫版で読了(本作では『奇譚』)。
表題作のほか、中編「石榴」を併録。

①「パノラマ島奇譚」=売れない物書きの廣介は、極貧生活ながら独特の理想郷を夢想しつづけていた。彼はある日、学生時代の同窓生で自分と容姿が酷似していた大富豪・菰田が病死したことを知り、自分がその菰田になりすまして理想郷を作ることを思い付く。荒唐無稽な企みは、意外にも順調に進んでいったのだが・・・

非常に乱歩テイスト溢れる作品だなぁーという印象。
中盤は主人公が無人島に築いた理想郷の描写が続くのだが、描写がいかにも乱歩風。
とにかくしつこく、読者の心を徒にザワザワさせるような描写・・・
これって、本当にこの時代の読者に受け入れられたのだろうか? 私のようにホラーテイストに弱い読者には、その辺りが何となく不思議なのだ。
(これって、キレイに書けば、要するに「テーマパーク」だよなぁ・・・)
ラストに現れる「北見小五郎」なる人物。これって、完全に明智小五郎だろうな。(なんで苗字だけ変えたんだろ?)
確かに、他の作家では書けない乱歩らしさを味わうことはできるが、個人的にはあまり好きになれない作品。

②「石榴」=本作はE.C.ベントリーの名作「トレント最後の事件」に触発されて書いた作品とのことだが、個人的にはこちらの方が①よりよっぽど好み。
主人公が旅先で出会った紳士に過去の事件(「硫酸殺人事件」)を語って聞かせるが、ラストにどんでん返しが・・・というプロット。
硫酸で顔を潰された死体というだけで、古臭い入れ替わりトリックが想起されるが、古臭いのは致し方ないところ。
終盤でジャンケンが引き合いに出されて、「裏の裏」か「裏の裏の裏」かという話が出てくるが、見せ方はやっぱりこなれててうまいなという感想にはなった。
ラストのドンデン返しも想定内ではあるが、とにかく短編らしいキレ味や余韻を感じられる良作という評価。
(指紋の件は、時代性を勘案してもちょっと捜査がずさん過ぎる気はしたが・・・)

No.2 5点 りゅう 2010/05/08 15:16
 ミステリというよりも幻想小説といった趣きの作品。倒叙物である。人見が菰田源三郎になりすます箇所は真に迫った描写で素晴らしい。人見が夫人を連れてパノラマ島を案内する場面が見せ場なのだろうが、やや退屈に感じた。オチは平凡。最後に明智小五郎をもじった「北見小五郎」なる探偵役が登場する。

No.1 8点 白い風 2008/12/01 22:07
個人的にかなり好きな作品です。
おそらく最初に読んだのは中学生の頃だったと思うけど強烈な印象が今でも残っています。
ちょっと有り得ない様な設定だけど、これもミステリの楽しみの一つだと思う。


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