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[ 本格 ]
青列車の秘密
エルキュール・ポアロ
アガサ・クリスティー 出版月: 1959年01月 平均: 4.75点 書評数: 12件

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東京創元社
1959年01月

角川書店
1966年01月

講談社
1976年01月

早川書房
1982年02月

新潮社
1983年01月

早川書房
2004年07月

No.12 3点 レッドキング 2021/01/28 18:32
列車内で顔を潰され殺された大富豪の娘。容疑者は二人の色男・・娘の愛人と婿。そこに婿の愛人の超絶いい女や富豪の秘書や娘のメイドや、さらに加えてもう一人の莫大遺産相続ラッキー女やら古物商父娘やら名探偵ポワロが絡み、伝説的なルビー盗難事件を巻き込んだ国際ミステリが・・・なんか20年代のクリスティー小説って、「秘密機関」だの「スパイ組織」だのが跋扈して鼻白むのだが、これも最後に「怪盗」「謎の怪女」みたいなの出しちゃったなあ。

No.11 5点 虫暮部 2020/01/09 12:01
 次々に新しい人物が登場して、ええっ多過ぎるよと思ったが心配無用、読み進めるとそれぞれ適切なところに落ち着きスッキリ整理された物語だ。この作者には紋切り型のキャラクターを生き生き描く才があり、風俗小説として面白い。ミステリとしてはつまらない。
 あの人の頭文字が●だとは、推測は可能だが気付かなかった。“彼女(メイド)の名前はエレンなんですか、それともヘレンなんですか”と言う台詞が日本人向けの伏線なのである。

No.10 5点 りゅうぐうのつかい 2016/11/08 17:29
離婚寸前のケッタリング夫妻に関する物語と、相当な遺産を相続したグレイの物語の2つの物語が青列車でつながる導入部分や、複雑な男女関係や伝説のルビー盗難を描いた展開部分は高く評価できるが、伏線や探偵の推理という点では物足りなさを感じる作品。ちょっとしたトリックが盛り込まれていて、ポアロの真相説明は一見複雑に見える事件の状況をうまく説明してはいるが、仮説にすぎず、決定的な証拠を示しているわけではない。登場人物も拡散しすぎで、うまく活かせていない印象。

No.9 5点 nukkam 2016/09/01 08:58
(ネタバレなしです) 1928年に発表されたポアロシリーズ第5作である本書は資金繰りに苦しんでいたクリスティーが短編を長編に引き伸ばして取り急ぎ出版した作品だそうです。オリジナル短編の方は殺人のみに絞ってコンパクトにまとまっていますが本書の方は「侯爵」と呼ばれる謎の男、ルビーにまつわる陰謀、突然莫大な遺産を相続した女性の物語などを絡めています。しかし空さんのご講評で的確に指摘されているように、整理があまりできておらずクリスティーとしてはごちゃごちゃして読みにくい筋立てになってしまいました。しかし最終章は叙情的で美しいエンディングになっており、これにはしみじみとさせられました。

No.8 5点 青い車 2016/07/22 18:03
 トリックは「なんだ、そんなことか」と思う人も多そう。事実、僕もそうでした。作者は似通った手法を何度か使っていますし、その料理の仕方はのちの洗練された書き方には遠く及ばないと思います。それでも、プロットは初期の作品なのに既にかなりしっかりしています。そのあたりはさすが。女性登場人物の描き方もいいです。

No.7 4点 sophia 2016/05/13 01:07
複雑な割に面白くなかった記憶があります。
クリスティ初期ではだいぶ下の方なのでは。

No.6 5点 クリスティ再読 2015/11/15 09:44
時系列で見ると、初の三人称ポアロ物である。それまでの三人称小説が「秘密機関」と「チムニーズ館」だけだから、「国際謀略」からみ...なんて評されたりするが、実のところ大時代的な「怪盗」がいるだけのことで、スパイスリラー色はまったくない。
後期好きの評者に言わせるとポアロの相方は作者の投影であるオリヴァ夫人(登場作は三人称)の方がずっと馴染みがいいわけで、ヘイスティングスは単にホームズオマージュの因習的な語り手に過ぎなくて、クリスティの人物描写能力を制限していただけの気がする...評者的には大歓迎、というところ。
なので、三人称のメリットをフル活用し、二次的なキャラ(中心人物視点でのみ登場する脇キャラ)の陰翳もちゃんと描写できており、小説としての立体感がそれまでの作品よりずっと向上している。レノックスとか特にクリスティらしいクセモノ女子感があってよろしいし、ミス・ヴァイナーとかミス・マープルの原型?となるくらい。ヘイスティングスの桎梏から解放されて筆がイキイキしているよ。
だが反面ミステリとしてはつまらない。ほぼ消去法で身元は推測できるし、アリバイトリックは陳腐な上に、アリバイが重要なことを小説上ちゃんと描写できていないから、解決が何か斜め下で盛り下がる。事件再現とイギリスに戻ったヒロイン描写の方を比較すると、事件再現の方が面白く描けてなきゃまずい(ワクワクしないんだ..テンション低い気がする)のに、ヒロインの心境の方が面白い。ミステリとしての失敗度が本当に小説の足を引っ張っている残念感の強い作品。

No.5 7点 斎藤警部 2015/06/16 04:50
かなり若い時節、「オリエント」に続けて手にした記憶が。 大仕掛けでちょっと大味なかの作と違い、じっくり味わって読めました。
あらためてストーリーを思えば随分と陰惨な物語ですが、どういうわけか妙にcozyな味わいのある作品だと思います。
これは私にとって相性の良いクリスティ。 列車内という揺れ動く密室感がまた良いのかも知れません。

No.4 5点 あびびび 2014/03/14 13:25
いわゆるブルートレインで起こる殺人事件。アメリカの大富豪の娘が南仏海岸へ向かう途中で殺される。ミステリ的状況が良いし、幾多の謎もある。そしてやや不可思議な恋愛ストリーも…。

いろいろな要素をたっぷり詰め込んで興味津々だったが、いかんせんポアロの切れ味が悪すぎた。一旦幕を閉じてからの解決は何度かあったが、これはブレーキが利きすぎて全体的につまらなくなってしまった。

No.3 5点 seiryuu 2010/11/28 17:01
登場人物は個性的でよかったけど、解決編は楽しめなかった。
セント・メアリー・ミード村は平和な村。

No.2 4点 okutetsu 2009/07/02 00:32
列車ものというとオリエント急行を思い出しますがこれはまた趣向が違います。いかにもクリスティーらしい作品ですがちょっと他の作品に比べると押しが弱いかと。

No.1 4点 2009/04/28 21:26
青列車を利用したトリックはなかなか巧妙ですし、犯人の意外性もあります。しかし、このプロットは…
高価なルビーをめぐるスリラー的な冒頭、アメリカ大富豪の家庭的問題、主役ともいえるキャザリン(セント・メアリーミード村に住んでいたという設定! ミス・マープルものが書かれる前に発表された作品です)の人生など、いろいろな要素を詰め込みすぎて、なんだかばらばらな印象があるのです。ポアロ登場作に本物の幽霊までちょっと出てくるなど、作者の狙いがどこにあるのか、よくわかりません。
最後に真犯人指摘のためポアロが事件の依頼者たちと再度青列車に乗らなければならない理由も全くなく、基になるアイディアはいいのですが、小説としてまとめそこなった失敗作という感じがします。


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アガサ・クリスティー
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