| 気まぐれミステリさんの登録情報 | |
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| 平均点:4.50点 | 書評数:2件 |
| No.2 | 5点 | 奇想、天を動かす 島田荘司 |
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(2025/12/21 14:13登録) トリックがアンフェアのところが多い。小麦粉の下りはある程度予想はできたが悪くない |
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| No.1 | 4点 | 砂の器 松本清張 |
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(2025/12/21 14:07登録) 本作がミステリとして低評価にならざるを得ない最大の理由は、謎の進展が論理ではなく偶然や刑事今西の勘に強く依存している点にある。捜査の過程が十分に説明されないため、読者は推理に参加することができない。さらに、物語の鍵を握る重要人物が伏線を欠いたまま唐突に登場し、構造的な納得感を損なっている。後半で第二の事件が発生することで物語は分断され、謎の焦点がぼやけてしまう。決定打となる超音波による殺害トリックは、物理的にも医学的にも説得力を欠き、「病死に見えた」という説明は検証不可能な主張にとどまる。長期連載によって引き延ばされた謎に対し、解決はあまりにも粗雑で、その落差が大きい。犯行方法は犯人の心理や主題とも十分に結びついておらず、必然性が感じられない。結果として、読者とのフェアプレイは成立せず、謎解きの快感よりも作者都合の回収が前面に出てしまう。 |
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