| まだ中学生(仮)さんの登録情報 | |
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| 平均点:6.59点 | 書評数:124件 |
| No.4 | 7点 | 青鬼 廃校の亡霊 黒田研二 |
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(2018/12/02 10:17登録) 累計60万部を突破した昨年完結したノベル「青鬼」シリーズの児童向け第2弾。原作はユーチューバーをはじめとする「ゲーム実況者」たちによってプレイ動画が星の数ほどアップされている大人気のホラーゲーム。 「恐ろしい噂」がある街外れの洋館ジェイルハウスに閉じ込められた子供たちがブルーベリー色の怪物「青鬼」と命がけの鬼ごっこを繰り広げる第1弾「ジェイルハウスの怪物」は発売直後から品切れするほどの人気作となった。待望の本作では舞台を「廃校」へと移し、再び青鬼と対峙することになる。前作同様、読者も参加できる「3つの謎解き」と物語に仕掛けられた「まさか!」のトリックは中高生もたっぷり楽しめると思う。 |
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| No.3 | 6点 | 十年屋 廣嶋玲子 |
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(2018/11/15 20:43登録) すっかり使わなくなったし、取って置いても仕方がないのに、どうしても捨てられない、捨てたくない一品。「十年屋」は誰かにとって大切なものを思い出と共に10年間、魔法で預かる魔法使い。預け賃は「依頼主の寿命1年分」。 小さい頃いつも一緒だったぬいぐるみ、壊れた時計、会えなくなった友達と作る約束だった雪だるま。預かれないものはないが、契約を破ると手痛いしっぺ返しが待っているからご用心。他人から見たらがらくたでも、依頼主には命を削っても守りたかったもの。いったいどんな思い出が詰まっているのか。 執事を務めるもふもふの猫カラシのかわいらしいセリフも読みどころ。「銭天堂」「もののけ屋」シリーズで人気の作家が手掛ける心温まる魔法の物語。 |
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| No.2 | 8点 | ザ・ヘイト・ユー・ギヴ アンジー・トーマス |
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(2018/10/27 10:22登録) ギャングがはびこり、ドラッグが蔓延するゲットー(黒人街)に暮らす女子高生スター。ある日のパーティー後、幼馴染のカリルが無抵抗ながらも白人警官によって射殺されてしまう。目撃内容をスターが証言したにもかかわらず、警察はその行為を正当化、事実と異なる報道もされていく。 米国で実際に起きた黒人少年射殺事件を基にした長編小説。繰り返されるのは実在した伝説的ラッパーのトゥパックが歌う「社会に植え付けられた憎しみがやがて噴き出し、社会に報復する」という曲。 トゥパックの死から20年以上を経た今も差別はなくならず、新たなヘイトを生み出し続けている。負の連鎖を断ち切れない社会に向けた問題作といえる。 |
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| No.1 | 6点 | 意味が分かると怖い話 藤白圭 |
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(2018/10/15 14:51登録) 怖い話はいつの時代も10代の心をつかんで離さない”鉄板”のテーマ。しかし流行のようなものはあって、人気の話も少しずつ傾向が変わってきている。本書もまさに今、小中学生に人気の「怖い話」集だが、最近は一読しただけでは分からない、少しひねりの利いたものが好まれるようだ。 一つ一つの話はとても短い。だが、思い込みや前提を巧みに利用し、予想外のヒヤリとする「オチ」を次々と繰り出してくる。隠された意味に気づいた時にぞっとする仕掛けだ。分からない人のために、「種明かし」も小さく収録。それを読んで改めて本文に戻ると、ああそういうことだったのかと発見もある。 「怖い」ショートショート69編。きっと誰もが、とびきりの「ぞっとする話」に出会えること請け合い。 |
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