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ミステリの祭典

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国境事変
ジウシリーズ

作家 誉田哲也
出版日2007年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ROM大臣
(2025/08/18 11:52登録)
長崎県の対馬は九州本土まで百三十キロ以上あるのに対し、韓国の釜山までは五十キロ足らずという国境の島である。この島の対馬南署に単身赴任している桑島刑事は、クラゲ避けの網に奇妙な物体がかかったという報告を受ける。一方、新宿では貿易会社を経営する在日朝鮮人の呉吉男が殺害されるという事件が発生。警視庁の東警部補は、被害者の弟に事情を訊くが、彼は公安部外事二課がすでにマークしていた人物だった。
公安部の川尻と東警部補は、互いに対立しながらも事件の背後に潜む国防上の秘密に迫っていく。国家的なスケールの事件を扱ったダイナミックなサスペンスでありながら、スポットは常に捜査に当たる男たちの心情を捉えており、その対比が作品に奥行きを与えている。

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