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ミステリの祭典

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たそがれ色の微笑

作家 連城三紀彦
出版日1989年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 あさぎ
(2015/06/22 02:59登録)
〝幸福〟をテーマにした5編。
表題作を除けば、青春小説の「落葉遊び」、家族小説の「水色の鳥」、童話の「風の矢」と、連城作品の中でも異色な作品が揃った短編集というべきかもしれない。

その中で、彗星のように現れて消えた漫才コンビの同性愛を描く「白蘭」が飛び抜けて傑作。語りの選択、プロットの意外性、タイトルが残すラストの余韻……連城三紀彦の全恋愛短編のベストを争う一篇であり、これだけのためにでもこの本は読む価値がある。
その他の四篇も、ミステリ色は薄めだが、それぞれにしっかり意外性も用意された佳作揃い。『恋文』をミステリとして楽しめる人ならマストバイ。

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