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ミステリの祭典

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鳥類学者のファンタジア

作家 奥泉光
出版日2001年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 しゃんテン
(2004/07/05 16:45登録)
余りも壮大なファンタジーである。
 かつてドイツに渡って戦争終結間際行方不明になった彼女の祖母や謎の音楽や猫や神霊音楽協会という怪しげな団体やロンギヌスの石、ベート-ベンが登場する謎の小説…諸々のものを巡って展開する。とにかく圧倒的なのだ。
 文章は結構砕けていて、お遊びめいた部分もあって愉しく読める。
 しかし、あんまり話が壮大すぎ、長すぎ、疲れてしまったのも事実。
 しかし、最後までくじけず読めたのは文章の柔らかさと物語の魅力であるのだろう。
 何処か、読者を置き去りにしてそうな、読者と関係なくたって存在できそうな力強さを感じた。
 読後感は悪くない。

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