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ミステリの祭典

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山が見ていた

作家 新田次郎
出版日1976年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 りゅうぐうのつかい
(2016/09/04 04:03登録)
山岳小説に定評のある作者だが、本短編集で山岳小説と言えるのは、「山靴」と「山が見ていた」の二作だけ。
文庫本の裏表紙に「新田ミステリー十五篇を収録した短編傑作集」と書かれてはいるが、純然たるミステリー作品ではなく、敢えてミステリーとして位置付けるなら、「奇妙な味」系。
十数頁から三十数頁の小品ばかりで、いずれの作品も意外な結末を迎えたり、登場人物が予想外のことをするなどの驚きを持っているが、インパクトの弱い作品も混じっている。
積年の恨み、妬みといった情念を描いた作品が多く、「沼」や「胡桃」のように、物語としての奥行きのある作品もある。
個人的に好印象だった作品をお勧め順に挙げると、「山が見ていた」、「胡桃」、「死亡勧誘員」の順。

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