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ミステリの祭典

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進化した猿たち
星新一

作家 評論・エッセイ
出版日1968年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 mini
(2013/08/09 09:57登録)
ちくま文庫から「真鍋博のプラネタリウム 星新一の挿絵たち」が刊行された、元々は新潮社だったのだが復刊かなぁ、ちくま文庫は時々こうした埋もれた他社本の復刊という有意義な仕事するからねえ
イラストレーター真鍋博とミステリーとの関係は深い、名前を初めて聞いたなんてのはクリスティファンだったら失格である
現在の早川では”クリスティ文庫”というちょっとトールサイズな版型になっているが、旧版では御馴染み赤い背表紙の普通の文庫サイズだった
その旧文庫版クリスティー作品のカバーイラストのほとんどを担当していたのが真鍋博氏である
読者によっては現行”クリスティ文庫”のカバー表紙よりも真鍋氏のクールなイラストの方が良かったという意見も有ろうが、う~ん、私は”クリスティ文庫”の実写真の表紙もムードが有って好きだけどなぁ

真鍋氏は本来はミステリー畑よりもSF畑の人で、特に星新一とのコンビネーションは有名で、星新一の魅力は真鍋氏の挿絵との相乗効果を無視出来ない、星氏のショートショートもいつか書評したいものだ
しかし今回はイラストレーションという分野に重点を置きたいのでこれにした、ミステリーとは関連は薄いが、周辺関連書という意味合いで今回は御容赦を
「進化した猿たち」はアメリカの一コマ漫画の収集家でもある星氏が監修したもので、アメリカの一コマ漫画を分類解説していて作家ではなくコメンテーターとしての星氏のセンスが見える
私はそれまで知らなかったのだが、アメリカの乞食を描いた風刺漫画では、座った乞食の前に空き缶に入った鉛筆を描いた図がよく用いられる
物乞いという行為は当然の如くアメリカでも軽犯罪法に引っ掛かるのだが、つまり筆記用具を路上販売しているという名目で警察官の目を逃れるというわけだ
だから施しをする人も心得ていて、小銭を空き缶に入れても鉛筆を持っていってはいけないのである

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