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ミステリの祭典

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ディアスポラ

作家 グレッグ・イーガン
出版日2005年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 ムラ
(2013/04/23 19:35登録)
簡単にかいつまむと、地球の危機に瀕したことを予言した高位の生物たちを探し求めるストーリー。
すでに体を持った肉体人と、情報で生きている主人公に種族は分かれる。
圧倒されるくらいの難しい専門用語が出てくるが、それを理解出来たらもっと楽しめたかもしれないという無念さがある。しかし、理解出来なくても十二分に楽しかった。
主人公が引きこもっているのを外へ出そうとした人物が肉体人の絶滅を目のあたりにしてまっさきに脱落したり、元肉体人が生き延びるために肉体を捨てたのに、やはり肉体人としての自分を諦めきれなかったりとけっこう考えさせられる。
主人公とそのパートナーが人生を捨ててまで高位の人物の正体を見極めたのに、結局はまた籠ってしまった主人も幸せだったのかどうか考えると虚しい。パートナーも諦めて、どこかへ行ってしまったし。
しかしこんだけ難しい理論を説明なしにぶっぱなしてくるのに、なぜかパウリの排他原理は説明してくれる易しさ(?)にはちょっと笑ってしまった。コズチ理論という難解な理論はわかるのにヤドカリの生体はハッキリしないギャップも生命の不思議さを感じさせる。
個人的な感想だと、どれだけ技術が発達しても、人生を決められる方法なんてないのかなとこの本を見て考えたり。

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