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ミステリの祭典

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漢字の玩具箱―ミステリー、落語、恐怖譚などからの漢字遊びと雑学の本
都筑道夫編

作家 評論・エッセイ
出版日1987年03月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 mini
(2013/03/25 09:58登録)
本日25日発売の早川ミステリマガジン5月号の特集は、”没後10年・都筑道夫が僕らに教えてくれたこと”
そもそも早川ミスマガの前身の日本版エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン創刊時の初代編集長が都筑だったし、特集の方も都筑ファンには見逃せない内容となっているようだ

「婚前一体」「叱るべき処置」「遺産争族」から始まるこのクイズ形式の薀蓄本はいかにもな都筑ワールドだ
今では死語ならぬ死機械と化したワープロ誤変換の話から、著者得意のミステリー・落語・江戸文化・時代小説・怪奇話などを通して漢字クイズを楽しもうという趣向である
頭の悪い私は小学生の頃から漢字が苦手だったので、大人になってからも漢字の知識が身に付きそうな本は物色する習慣が有るのだが、少し前の”読めそうで読めない漢字”ブームの折に偶然古本屋で手に取ったら著者が都筑道夫だったので安かったし買っておいたが、まさかこれの書評書くことになるとはね

単純に問題を並べただけのクイズ本ではなく、雑学と絡めた薀蓄本に近い内容で、流石は雑学博士の面目躍如といったところだ
しかし企画力・アイデアの割に出来上がったものが面白いかと言うとそれなりなんだよなぁ
都筑のミステリー作品は例の「猫の舌に釘」しか読んでいないのだが、どうも都筑という人は企画力は凄いんだが、それが結果に結び付いていない印象が有るんだよね
何て言うのか、企画倒れと言うんじゃなくて、企画自体は狙い通りに成功しているんだけど、効果があまり挙がっていない気がする
当サイトで書評済みのマリオン・マナリング「殺人混成曲」の各パート別翻訳者という企画も、結局は作者マナリングの物真似の上手さに助けられてる感じだし

でも作家として以外の評論家・ミステリーマニアとしての都筑道夫にもう少し光が当たってもいい気がするよね
「都筑道夫のミステリー読本」「都筑道夫の読ホリデー」さらには「ポケミス全解説」などは当サイトで登録さえ無いしね

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