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ミステリの祭典

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ツーリスト・トラップ

作家 ジュリー・スミス
出版日1988年03月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 mini
(2012/08/31 10:06登録)
* 今年の私的マイブームの1つ、スミス姓の作家を漁る

ジュリー・スミスは馴染みの無い作家かも知れないが、90年代以降のアメリカ女流作家の中では時々名前が挙がるのでそれなりに人気作家なのだろう
主人公は女弁護士で、80年代後半に登場し活躍時期が90年代である事から見てもリーガルサスペンスブームに乗って登場した作家かなとも思った
ただ読んで見ると、たしかに後半には裁判シーンが続くが、リーガルサスペンス作家達に比べると場面が軽く、あまりその分野らしさは感じられない
そうかと言ってこれも活躍時期が近いP・コーンウェルの検視官シリーズのようなその道のプロ的意識も感じられない
どうもそれらのブームに乗っかって、女性を主人公にしたのを書きたかったという事なんだろうけど、シリアルキラーを描きながらも全体に軽いノリで、リーガルものとしてみても、P・コーンウェルの亜流としてみても中途半端さは否めない
また主人公はプロなのだから軽いからといっても決してコージー派では絶対ない
日本で言うところの、女弁護士が主役の2時間サスペンスドラマの原作みたいなイメージだった
ジュリー・スミスには他にも女刑事を主役に据えたシリーズがあるらしく、広い意味でプロの女性が主役の軽いシリーズ作家という捉え方でいいのではないだろうか

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