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ミステリの祭典

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夜の旅その他の旅
異色作家短篇集

作家 チャールズ・ボーモント
出版日1961年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 mini
(2013/10/07 09:58登録)
先月26日に扶桑社文庫からチャールズ・ボーモント「予期せぬ結末2 トロイメライ」が刊行された
『予期せぬ結末』叢書シリーズは早川書房異色作家短篇集の再現を狙った扶桑社文庫の企画で、その第2弾がこのボーモント、第1弾目はジョン・コリアだった

今年6月にリチャード・マシスンが亡くなったが、マシスンはTVドラマ『トゥワイライト・ゾーン』の脚本を担当した経歴がある
そのマシスン同様に脚本などに関わり並び称されていた作家がチャールズ・ボーモントである
高齢で亡くなったマシスンと対照的にボーモントは若くして逝った悲運の天才作家だった
作家としてだけでなく多芸多才で、作家活動でも短い執筆期間にしては数多い短編を書いている、まさに生き急いだ作家というイメージだ

異色短篇作家チャールズ・ボーモントの特徴は一言で言えばムードを描く作家である
オチや捻りという面では乏しく、そういう要素を期待するような読者向きではない
しかし独特の雰囲気を持っており、特にカーレースやジャズといった趣味の世界に没頭したような世界はボーモントならではだ
早川の叢書の1冊であるこの「夜の旅その他の旅」にしてもらしさが遺憾なく発揮されている、特に表題作とも言える巻末作は他の異色短篇作家では書けない味わいだろう
このような叢書を企画するならラインナップには絶対落とせない作家の1人である

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