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ミステリの祭典

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被害者のV
ジャブ・フリーマン鑑識係、ミッチ・テイラー刑事

作家 ローレンス・トリート
出版日2003年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 mini
(2010/11/24 09:59登録)
明日25日発売予定の早川ミステリマガジン1月号の特集は、”相棒 特命係へようこそ”
そこで”相棒”にちなんだ書評を二つほど、1冊目はこれ

1950年代は警察小説の時代であり、トマス・ウォルシュ、ヒラリー・ウォー、ベン・ベンスンなどが次々に登場しマクベインで頂点に達した
これら警察小説の嚆矢がローレンス・トリートで、この第1作が出たのは1940年代後半だけにトリートこそ警察小説の直系の先駆者なのである
先駆と言えば、題名にアルファベットを用いる手法もスー・グラフトンに先行しているのだ
鑑識という分野に新しい風を吹き込むジャブと、叩き上げの実務派刑事ミッチが良いコンビとなっている
ウォーの初期名作「愚か者の祈り」にもトリートのこの作品の影響が見られると思う
この当時はミステリーに科学的捜査法を持ち込みだした時代で、科学捜査が進歩した現代の視点からは批判はいくらでも出来ようが、40~50年代はそういう手法が流行した時代である事を考慮する必要がある
現代では科学捜査が発達し過ぎた為、ミステリーには組み込み難くかえって面白さを阻害する要因にもなる場合があるが、この時代の警察小説には新風となっていたのである

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