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ミステリの祭典

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封印された悪夢

作家 フィリップ・マーゴリン
出版日1996年10月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 ROM大臣
(2022/03/24 15:31登録)
本書は六部に分かれており、現在と過去が錯綜して描かれる。現時点で過去の事件関係者が犯罪に巻き込まれ、再審が始まるのである。処女作らしく、様々な要素が詰め込まれすぎており、未整理の箇所も多い。この事件の経過だけで五百ページを超すのは、途中でいささか退屈になる。
しかし、後半の詰めの部分になってくると、力量が発揮され緊迫感が出てくる。人物描写は類型的で平凡だが、プロットの面白さがこの作者の特徴であり、それが処女作にも出ている。

No.1 7点 こう
(2010/08/09 00:37登録)
 プロット派のリーガルサスペンスの雄マーゴリンの処女作です。
 数年前高校生カップルが惨殺され迷宮入りした事件を担当刑事と検事が犯人、真相を追究するストーリーです。
 処女作でもストーリーテラーぶりは発揮されていますが法廷での弁護士と検察の対決といった場面は目立たず後のマーゴリンの作品を含めた一般的なリーガルサスペンスぽくはありません。精神分析を利用する所など不満な点もありますが作品の展開、構成は結構好きです。
 完成度では「暗闇の囚人」や「黒い薔薇」には及ばないかもしれませんし世評もそんなに高くなさそうですが個人的には楽しめた記憶があります。出版以前や当時はグリシャムが人気だったのですが個人的にはマーゴリンの方が好きでした。

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