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ミステリの祭典

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舞台裏の殺人
デス・オン・デマンド

作家 キャロリン・G・ハート
出版日1991年11月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 mini
(2012/10/05 09:57登録)
発売中の早川ミステリマガジン11月号の特集は、”ブックショップの事件簿”
ミステリー書店主が主役って言うとやはりこれでしょ、キャロリン・G・ハートのアニー・ローランス・シリーズだ

ミステリー書店系コージー派
この分野を代表するシリーズがミステリー書店主アニー・ローランスである、その日本初紹介だったのが「舞台裏の殺人」だ
ただ原著ではシリーズ第1作では無かったようで、この作でアンソニー賞・アガサ賞を両方獲ったので最初に訳される次第となったらしい
言わば作者の出世作だったわけだが、どうもイマイチなんだよねえ、むしろシリーズの後の作にもっと良いものが有る
主人公がミステリー専門書店主ならではの知識がマニアックに盛り込まれる趣向が、受賞の決め手となったのかも知れない
作者ハートの謎解き面での特徴は、容疑者達を全員並列に並べて箇条書きリストを作るという、初心者の読書メモみたいな推理を展開する手法だ
探偵役の素人アマチュア探偵らしさは表現されているが、この手法が登場人物達の立体感を失わせ、パズルの駒みたいになってしまっている
まぁ人物描写に関心が無く、フーダニットしか興味ない人には合うかも知れないが
でもねえ人物描写以外の面でも物語に起伏が無く面白味に欠ける
このシリーズは後の作品ではストーリー展開と人物描写に進歩が見られるのだが、受賞作に限って出来が悪い印象が有るんだよなぁ

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