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ミステリの祭典

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孤独なスキーヤー

作家 ハモンド・イネス
出版日1973年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 mini
(2011/01/18 10:21登録)
* シーズンだからね(^_^;) *

今年はレルヒ少佐によってスキー指導が行なわれた事に由来する”日本のスキー発祥100周年”にあたるそうだ
私のスキーの腕前は、初中級向け斜面なら一応(ボーゲンじゃなくて)パラレルで何とか転倒せず降りられる程度の初球レベルなんだけど、やはりスキーが登場するミステリーは楽しく読める

H・イネスは基本的に海洋冒険ものが本流と思っているので、陸上が舞台のこの作は初期の有名作ではあるが代表作とは言えない
やはりイネスの代表作なら「メリー・ディア号の遭難」あたりが妥当であるべきなんだろうとは思う
でも読んでる最中が楽しかったのはこっちの「孤独なスキーヤー」の方なんだよなぁ
英仏海峡の岩礁地帯という「メリー・ディア号」の舞台設定は、冒険小説としてはちょっと地味で魅力に欠ける
その点「孤独なスキーヤー」の舞台は、五輪も開催されたイタリアアルプスのスキーリゾート地コルチナ
別に舞台だけで価値が決まるわけでもなく、展開・真相や人物設定などがベタで不満はいくつかあるが、冒険小説にとって舞台は重要な要素だと再認識した
特に前半部で、山荘に集まる得体の知れない人物達が醸し出す雰囲気はミステリアスで、充分にミステリーの範疇内だ
ただ集まった動機はありきたりでつまらんけど
ところで作中にリフトかケーブルカーみたいな乗り物が登場するんだけど、文章だけでは具体的なイメージが湧かない
索道の一種とは思うがもう少し詳しい説明が必要なのではと思った

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