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ミステリの祭典

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IN★POCKET 2009年11月号
講談社

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日不明
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 mini
(2009/12/11 10:42登録)
この種のランキング本の中でちょっと見逃され易いのが通称『インポケ』
まあね大きさが文庫版だからね、本棚でも目立たないよね
『インポケ』は元来が講談社発行の文庫本情報冊子って感じだが、毎年年末に翻訳ミステリーのベストを主催する
対象が文庫版限定なのでハードカバーなどは対象外
ランキング本としての他誌との違いは選ぶのが読者、作家、翻訳家&評論家の三つに分けていること
総合ランキングは上記の三つのポイントを単純に合計してるのではないかと思われる
『早ミス』は今年から一般投票を止めたらしいし『このミス』は最初から素人投票は受け付けていないが『本ミス』などはネット投票も点数に加算される
『インポケ』の場合は1/3は読者投票の点数が占めるから一般投票の影響が強いのが特徴で、これが最大の弱点だ

『インポケ』は評論家だけの集計結果を見ると他誌と代わり映えがしないが、読者投票は笑えるぜ
なんたって7位が「黒猫・アッシャー家の崩壊」だもんな
いくら今年がポー生誕200年記念とは言えそんなんありかよ?と思うが、新訳は対象範囲内なので原則ルール上は違反じゃないんだよね、昨年もホームズの新訳が入ってたし
それ以外にも10位に拡大解釈でフランソワーズ・サガン「悲しみよ、こんにちは」、12位がもう一冊のポー、13位になんとクイーン「Xの悲劇」、17位ライス「スィート・ホーム」、18位ケン・フォレット「大聖堂」といった新訳復刊が並ぶ
もうね読者が新訳を読んで投票したとは思えないよね
旧訳を既読で内容は知っているから投票したんじゃないの、って雰囲気
実は『このミス』もたしか一応は新訳も原則ではありだったと思うが、流石にプロの評論家は意図的に避けるよな
まあ「幽霊の2/3」みたいな旧訳がレア状態だったのは復刊奨励の意味で別だろうが
あともう一つ笑えるのが、お約束の毎年P・コーンウェルが上位に入ること(爆笑)流石は講談社文庫だぜ
あ、でもこれだけは褒めとこ、値段が200円です

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