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ミステリの祭典

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上野谷中殺人事件
浅見光彦

作家 内田康夫
出版日1991年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ZAto
(2009/11/02 23:01登録)
事件そのものは例によって浅見光彦の登場で割とあっさりとカタがつき、
ミステリー小説に相応しい謎もトリックも殆ど見出すことなくエピローグを迎えるという、
いつものペースではあるのだが、新幹線の乗入れ問題や駅再開発のニュースを目ざとく題材にしながら、終戦間際の上野駅周辺での抗争という上野裏面史を掘り下げて物語の骨子にしてしまう技術は巧みであり、何よりも、こうして上野駅について一時でも郷愁に浸らせて長々と思い出話を綴らせる力は健在。
作者得意の「旅情」の術中にはめられた読後感となった。

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