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ミステリの祭典

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グリーン・アイス

作家 ラウル・ホイットフィールド
出版日2002年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 mini
(2009/03/01 10:32登録)
戦前のハードボイルドを語る上で雑誌『ブラックマスク』の存在を無視することは出来ない
ハメットも『ブラックマスク』誌の花形常連作家であったが、あの「マルタの鷹」の雑誌連載終了後、引き続いて連載されたのが「グリーン・アイス」である
それを書いたのが当時同雑誌でハメットと並び称されながら病に倒れた悲運の作家ホイットフィールドなのである
海外では歴史的評価が高い作家みたいだが長編作品数が少ない為か日本への紹介が大幅に遅れてしまったけど、そこを頑張って二冊も出してくれたのが小学館
小学館という出版社はミステリー分野では脇役であろうが、私との作品選択の相性が良いのか個人的に大好きな出版社である
ハードボイルドの歴史に残る名作「グリーン・アイス」はあまり面白いと感じる読者は少ないと思うし、それも道理で「グリーン・アイス」は誰でも楽しめるようにはそもそも書かれていない
コアなハードボイルドファンだけに向けてハードボイルドの作法だけで書きましたって感じでエンタメ要素は一切ないが、しかしハードボイルドとしてはその味気無さこそが魅力みたいな作品である
もう一冊「ハリウッド・ボウルの殺人」は本は入手済みだが未読なので予想の範囲だが、こっちの方が一般ファン向きらしいので先に読む方が本当は良いのかも

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