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ミステリの祭典

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ファンレター

作家 ボブ・ランドール
出版日1979年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 こう
(2008/11/02 23:00登録)
 これも折原一氏推薦の一冊です。手紙のみで構成されており面白い趣向だと思いました。日本では井上ひさし氏の「十二人の手紙」(傑作です)がまず思いつきますがやはり作風は全然違いこちらはサスペンスストーリーです。メインキャラクターはミュージカルスターのサリー・ロスとその狂信的ファンのダグラス・ブリーンの二人でダグラスがファンレターを送っても一向に返事がもらえずだんだん苛立ちを募らせ行動がエスカレートしてゆく、という作品です。
 読者の興味はどう収束してゆくか、という一点ですが手紙だけのスタイルをうまく使いラストの切れ味は鮮やかです。
 難点は内容的には短~中編のネタだと思うのですが不必要な手紙が多く中盤かなりだれることです。ただ手紙のためページ中の文字が少なくさほど苦痛ではないですがそれでも水増し感はありました。
 折原一氏の書きそうな狂信者の話でありアイデアの一部が同氏の「ファンレター」に活かされているのだと思います。

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