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ミステリの祭典

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快盗ルビイ・マーチンスン
ルビイ・マーチンスン

作家 ヘンリー・スレッサー
出版日1960年01月
平均点2.00点
書評数1人

No.1 2点 mini
(2009/09/16 10:38登録)
異色作家短編集には名前が無いヘンリー・スレッサー
全集から外された理由は要するに”異色”じゃないからだろう
スレッサーはヒチコックにも好まれた短編の名手である
しかし短編作家としては”奇妙な味”という形容詞は相応しくなく、オチの効いた切れ味鋭い普通のクライム・ストーリーを得意とする

私は短編に必ずしも切れ味鋭いオチだけを求める読者ではないし、意外な結末だけを重要視してはいない
しかし相手は天下のスレッサーであり、良い面が出た短編を私は知っているし、スレッサーなら少なくともオチの切れ味はあると期待するのも当然だろう
ところがこのオチがつまらない
短編作家としてのスレッサーは重厚感のある作風ではないから、オチに切れ味が無かったらスカスカで、登場人物・話の展開・結末、全てに魅力無し
特に酷いのが犯行計画の杜撰さで、おそらくは素人怪盗らしさを演出したかったのだろうと多少は弁護するが、素人の失敗譚のドタバタ顛末の面白さという点でも突き抜けているわけでもなく中途半端
ドラマ化の時、ルビイを男性から女性に設定変更したらしいが、キャラの魅力を考えればそりゃ妥当だ

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