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ミステリの祭典

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美しき罠

作家 ビル・S・バリンジャー
出版日2006年09月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 こう
(2008/08/07 01:15登録)
 これまでの邦訳作品の中では煙で描いた肖像画に近い作品でした。
 ノンフィクション作家が主人公で第二次大戦前取材でお世話になった刑事ラファティに戦後会いにゆくと誰も彼のことは語りたがらず、2年前の新聞を読めと言う。そこに書いてある事実が信じられず、主人公は関係者に話を聞きラファティの半生を追跡してゆく、というストーリーです。分野としてはサスペンスクライムに入ると思います。
 一人の人間の悲しい半生を描く筆致はうまいですが「歯と爪」や「赤毛の男の妻」のような叙述トリックは皆無でありその点もの足りなく感じてしまいます。
 またカットバック方式はとられておらずサスペンスストーリーではありますが一本調子な展開でした。
 解説はいかにもバリンジャーを好きそうな折原一氏が書いています。

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