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ミステリの祭典

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浮遊

作家 遠野遥
出版日2023年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 麝香福郎
(2026/09/25 21:49登録)
高校生のふうかは、日々の生活をそれなりに楽しんでいるようだが、欲があまり感じられず、生々しい現実から浮遊しているような感触がある。経済的に豊かな碧が恋人だが、言葉の端々から底に秘めた怖さが、じんわりと滲んでくる。
ふうかが夜毎、没頭しているのがホラーゲーム。少女が悪霊の群れから逃れながら、夜の東京を探索するというゲームのストーリーが、ふうかの現実と奇妙にリンクし、二重写しになっていく。些細なエピソードが、ふうかの日常に影を落としじわじわと恐怖や不安が大きくなっていく。終業式の日には夜景の見えるホテルに泊まったふうか。一方でホラーゲームは壮絶なエンディングを迎えつつあった。では現実はどう変わるのか。その答えをはっきりと示すことなく、終わりを迎える。表面的には静かで淡々とした物語だ。しかし生者と死者ともつかない者たちがさまよう異様な世界が浮かんでくる。

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