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ミステリの祭典

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負けくらべ

作家 志水辰夫
出版日2023年10月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 麝香福郎
(2026/06/04 14:12登録)
三谷孝は介護士だが、その傍ら内閣情報調査室関係の仕事に協力している。ある日、介護施設に入居している知人を訪ねた際、IT起業家の大河内と知り合い、彼の手伝いをすることになる。二人は山荘で共に過ごし親交を深めていくが、大河内の母がオーナーを務める東輝グループは内調にマークされていた。
ギフテッド、特殊能力者を主人公にした話だが、作者はありがちな超能力者もののように派手な演出を取らない。むしろ三谷は一貫して抑制的であり、実際ストイックな生き方を通してきた。そんな彼を補強するものとして物語に随時挿入される受け身の介護エピソードにも、はっきりと立ち現れている。
物語後半は親子ほどの年の離れた三谷と大河内の間にどのような絆が育まれていくのか、この作者ならではのバディものとして読み応えがある。ミステリとしても緊迫した失踪劇から奪還劇へとサスペンスが高まっていく。サバイバル演出で作者らしさが炸裂している。

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