奈良監獄から脱獄せよ |
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作家 | 和泉桂 |
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出版日 | 2023年08月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 麝香福郎 | |
(2025/09/29 21:40登録) 弓削朋久は、教え子を殺した罪で有罪となり、奈良監獄に収監された。しかし教え子は自殺したのであり、彼は無実だった。二年が経った時、羽嶋亮吾という新入りの囚人に仕事を教えることになる。強盗殺人と放火で無期懲役の羽嶋だが、彼も無実だと知り気に掛けるようになる。 この二人を中心に粗暴な山岸、弓削が仕事の師匠と思っている相内や、新任の長谷川などが絡んでストーリーが進行していく。意外性を盛り込んだ脱獄の面白さが十分に堪能できる。最初は気持ちに食い違いがあった二人が、脱獄仲間になり強い絆で結ばれた相棒となる関係がいい。弓削の冤罪に関する扱いには驚かされたが、あえてこのようにしたのだろう。 |