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ミステリの祭典

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営繕かるかや怪異譚その弐
営繕かるかや怪異譚

作家 小野不由美
出版日2019年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ROM大臣
(2024/05/28 12:25登録)
住人を悩ます家に発生する怪異を営繕によって鎮めるシリーズの第二弾。
魅入られた者を死へと誘う芸者の死霊や、幼い息子の許を夜な夜な訪れて死んだはずの猫、背後から次第に近づいてくる溺死した幼馴染み、古民家に暮らす女の神経を苛む古道具の障り、屋根裏に棲み憑くグロテスクな死者の霊など、恐怖から哀切さやノスタルジーまで、さまざまな怪異のバリエーションとその真相が捻りを利かせた巧みなプロットによって語られる。その中で、営繕という行為が異界との間に開いた裂け目を修復するのみならず、当事者の心の綻びまでをも繕っていくという展開が秀逸。

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