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ミステリの祭典

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桃色東京塔

作家 柴田よしき
出版日2010年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ROM大臣
(2024/03/25 13:24登録)
各編が独立した物語だが、全体として警察庁の刑事・黒田岳彦と、ある過疎村の女性刑事・小倉日菜子の微妙な交情が通奏低音を奏でる。この二人が、ある事件をきっかけに知り合い、互いに惹かれていく過程が、ゆったりとしたペースで描かれる。
活劇シーンやラブシーンひとつない淡々とした筆運びなのに、二人が登場する場面は情感豊かで胸にしみてくる。これは警察小説の形を借りた、二人の男女の自己再生の物語ともいえる。

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