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ミステリの祭典

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死神の棋譜

作家 奥泉光
出版日2020年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 麝香福郎
(2024/02/27 21:35登録)
二十二年前に発生した棋士の失踪事件が、現在に蘇ってきた。またしても棋士が失踪したのだ。共通項は、不詰めの詰将棋だった。プロ棋士を断念してライターに転じた北沢は、この謎に興味を持ち東京から北海道、茨城など様々な土地へと足を運んで関係者から話を聞く。
本書では将棋の駒は時に九×九の将棋盤を逸脱し、北沢の調査行は時に現実を逸脱し、しかしながら人々は十分に生臭く、物語は流れていく。著者は過去と現在、現実とその外側や裏側を自在に操りつつ、知的刺激と不安に満ちたエピソードを連ねて結末へと導いてくれる。推理の鮮やかさと不条理の不気味さが共存する結末。

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