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ミステリの祭典

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毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理

作家 塔山郁
出版日2021年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 麝香福郎
(2024/01/14 20:20登録)
薬局の来訪者が訴える奇妙な症状、何かが原因でこんがらがってしまった彼らの人生に対し、主人公が薬学の観点から回答を与えるという連作集。それを基本形に、感染症という災いによって人々の生活が脅かされている状況を背景で描くという趣向が加えられている。
薬学の知識を絡めた謎解きが読みどころの作品だが、アルコール依存症などの社会問題が題材として毎回描き込まれている点も見逃せない。毒島花織は、そうした人々の発する救難信号に対し、救いの網を投げ与える存在なのだ。白眉は「見えない毒を制する」で、ウイルスの感染経路がミステリ的な推理によって突き止められる。

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