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ミステリの祭典

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雪の階

作家 奥泉光
出版日2018年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ROM大臣
(2023/09/07 13:48登録)
昭和十年、女子学習院に通うう学生が親友の死の真相を追求する物語は、推理小説的興趣に事欠かないし、武田泰淳「貴族の階段」の本歌取りともいうべき設定で、兄と妹、女同士の関係、セクシャリティの主題、重要な場面での睡眠薬の使用など、武田作品を踏まえている。
文学的には心霊音楽協会、霊視能力などオカルト的な要素も満載して、現実と虚構の境界を著しく浸食していく点と、自由自在に視点が移動する精緻かつ濃密な語りは至高の技巧だろう。

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