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ミステリの祭典

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水よ踊れ

作家 岩井圭也
出版日2021年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ROM大臣
(2023/05/18 13:06登録)
一九九七年、中国返還を間近に控えた香港。二十歳の交換留学生・瀬戸和志は、十三歳から十七歳まで暮らしたこの地を再訪する。その地にはかつて想いを寄せた少女・梨欣がいた。彼女は三年前、マンションの屋上から落ちて死んだ。警察は自殺と結論づけたが、和志はその場から慌てて立ち去る男を目撃していた。その真相を求め、香港に戻ってきたのだ。
不器用な青春、激化する民主化運動、複雑な民族問題、格差の現実、濁った政治、そして揺れ動く香港の熱気が濃密に絡み合い、真に迫った描写で綴られていく。しかもある箇所で本作の主題が明らかになると、より物語の厚みが増し、さらに梨欣の死についての答えが示されてからの猛烈な熱量には大いに圧倒された。

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