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ミステリの祭典

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作家 ガイ・バート
出版日2002年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ROM大臣
(2022/11/29 15:15登録)
アワ・グローリアス高校の校舎の片隅には、長いこと使われていない地下室が人知れず存在する。マーティンの発案で、五人の少年少女がその地下室で、食料や飲料持参で三日間暮らすことになった。ところが三日経っても誰も迎えにやってこなかったため、五人はパニックに陥ってゆく。果たしてマーティンの身に不測の事態が起こったのか、それとも五人を閉じ込めることが彼の目論見だったのか。
本書の特異さは、その語りのスタイルにある。三人称で綴られている部分があるかと思うと、五人の生徒の一人である少女リズの手記や、その友人でもあるもう一人の少女の告白などが随所に挿入されるのである。
エピローグに至って、実際に起きたことがある程度明かされ、複数の語り口が選択された理由も明白となる。ところが、本書で最も恐ろしいのはこの解明部分である。宙吊りのまま謎が幾つも残されているせいもあるが、それ以上に敢えて具体的に書かないことによって、読者のおぞましい妄想を掻き立てるような筆法が選ばれているせいでもある。

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