home

ミステリの祭典

login
切り裂き魔ゴーレム

作家 ピーター・アクロイド
出版日2001年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ROM大臣
(2022/11/29 14:55登録)
一八八一年、夫のジョンを毒殺した罪で、エリザベスが絞首刑に処されるところから始まる。時制が目まぐるしく前後するばかりか、三人称記述のあいだにジョンの手記やエリザベスの語りが入り乱れ、一読しただけではプロットを呑み込めないほど複雑。
マルクスや喜劇役者ダン・リーノら実在の人物が容疑者として登場したり、ユダヤ神秘主義やチャールズ・バベッジの解析エンジンに言及するなどの凝った趣向が、世紀末ロンドンのパノラマの如きこの小説に、虚実皮膜のスリリングさを付与している。

1レコード表示中です 書評