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ミステリの祭典

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家族解散まで千キロメートル

作家 浅倉秋成
出版日2024年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 文生
(2024/03/30 15:01登録)
青森の神社から盗まれたご神体が何故か主人公一家が暮らす山梨の家の倉庫から出てきて大慌て。放浪癖のある父親の仕業に違いないと結論づけ、ご神体を返して許しを請おうと一路青森を目指す物語は文句なしの面白さ。家族のキャラがそれぞれ立っていますし、ユーモアも効いています。ただ、旅路の最終局面で繰り広げられる多重解決の趣向は一つ一つの解答が雑に感じられてやや微妙。それに、騒動後のエピソードとして語られる「家族のあり方論」みたいな話が結構長くてミステリー作品としては蛇足に感じました。テーマ性はメインストーリーのなかにさりげなく溶け込ませてほしかったところ。

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