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弾十六さん
平均点: 6.10点 書評数: 446件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.55 6点 消えた看護婦- E・S・ガードナー 2019/08/18 22:35
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第43話。1954年2月出版。Saturday Evening Post連載(1953-9-19〜11-7) HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。ちょっと変更。いずれ再読したらあらためて書きます。)
実は前作(1953年11月出版)より前に発表されています。ポスト誌連載は「そそっかしい子猫」(1942年)以来ですが、本作から1962年まで毎年メイスンものをポスト誌に連載(10年間に14作)、人気の高さがうかがえます。(単純計算で、この期間中は1/5くらいの高確率でメイスンものがポスト誌に掲載されてます。)
見え透いた罠に飛び込むメイスン、冒険癖が抜けません。バーガーと地方検事局で立ち回りを演じ、危ない冒険も辞さない行動派メイスンです。予審で地方検事をきりきり舞いさせ、被告を隠したメイスンにバーガーが襲いかかります。法廷侮辱罪は初めてか。武闘派バーガーとお間抜けホルコムを翻弄し、解決に至りますが、結末はちょっと複雑です。
(2017年4月23日記載)

No.54 6点 緑色の眼の女- E・S・ガードナー 2019/08/18 18:11
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第42話。1953年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。ちょっと変更。いずれ再読したらあらためて書きます。)
第4シリーズ(私的な区切りは69話まで)は、ポスト誌のレギュラー扱いからTVドラマ化(1957-1966)の時代。実はレイモンド バーのTVシリーズをみたことがありません。ポータブル録音機、嘘発見器など新技術がどんどん出てきます。無駄に複雑な筋は50年代後半から割と単純な筋(まあそれでも結構込み入った話)になって行きます。
冷たい目の女が事件を持ち込みます。ポータブル録音機が登場、ボタン一発で録音が簡単に出来る時代に入りました。乱暴なホルコムに対して、トラッグは相変わらずスマートです。メイスンの乾杯の文句は「敵の敗北のために」予備審問でメイスンはネチネチ尋問を行い検死医をいじめ、ホルコムは判事に怒られます。最後は急展開で解決、モヤっと感ありです。
以下はトリビア本The Perry Mason Bookの情報。
トラッグのファーストネームArthurが記されたのはシリーズ初(翻訳では省略)。トラッグがPerryと呼んでいるのも初。前作「ためらう女」の登場人物の苗字を再利用: Brogan, Doyle, Fritch, Kaylor & Hanover。メイスンの指紋が当局に提供されたのは「掏替えられた顔」の時。
(2017年4月23日記載)

No.53 6点 ためらう女- E・S・ガードナー 2019/08/18 17:57
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第41話。1953年4月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
いきなり法廷での反対尋問から始まるのはシリーズ初。ネチネチ尋問は不発に終わり、メイスンはブラックストーン(「黒大理石」と誤訳)の胸像に帽子を被せます。官選弁護人メイスンも初。ドレイク事務所の探偵の目印は赤いカーネーション。デラとラスヴェガスにお忍び旅行のはずがすぐバレます。今回は危ない冒険がたっぷり、人にやらせたり、自分でやったりです。でもデラを危険に晒したので減点ですね。法廷では杓子定規な判事を上手く扱い、ネチネチ尋問で証人をやり込めます。ホルコムは正式に「殺人課」と記述され、トラッグは最後に現れ、珍しくハードボイルド的デカの見本を見せます。解決は強引な感じですが、行動的メイスンなので満足です。
(2017年4月22日記載)

No.52 6点 嘲笑うゴリラ- E・S・ガードナー 2019/08/18 17:53
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第40話。1952年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
謎の包みを手に入れ上機嫌のメイスン、ブラックストーンの胸像に帽子を投げます。メイスンは怪しい奴を煙に巻き、無料で人助け。ゴリラと遊んだり、警官と野球談義をしたり、新聞記者に特ダネを提供したりで忙しく活動します。デラと二人で中華料理店で辻占入りのお菓子を注文、結果を秘密にするデラ。予審ではバーガーと対決、ネチネチ尋問で証人をいたぶります。最後は活劇で幕。
(2017年4月22日記載)

No.51 6点 虫のくったミンク- E・S・ガードナー 2019/08/18 00:57
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第39話。1952年4月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
レストランのデラとメイスンから物語は始まります。消えたウェイトレスと謎の男。トラッグが来た時にガーティが出すサイン: 電話のベル3回。デラの万引き癖は父方の祖父老海賊ストリート船長から(嘘です)。トラッグが感情を込めて語ったある警官の物語。いつもの家庭内トラブルとは違うハードボイルド的世界です。トラッグと相棒の刑事はメイスンとドレイクを締め上げる。予審では、弁護士が証人となることについての議論があり、メイスンはネチネチ尋問で事件を解決に導きます。
銃は38口径 スミス・アンド・ウエッスン スペシャルの「警察拳銃」3インチ銃身(A Smith and Wesson police special, thirty-eight caliber, with a three-inch barrel) シリアルS64805。このシリアルだとNフレームで1946-1947年製で、S&W .38/44か .357Magnumが該当します。S&W Police Specialという名称の拳銃は無いので、このpolice specialは警察仕様と言う意味か。(小文字ですからね…)
(2017年4月16日記載)

No.50 6点 怒った会葬者- E・S・ガードナー 2019/08/18 00:52
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第38話。1951年10月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
メイスン登場は第5章から、休暇に退屈したところに依頼人がやってきます。早速、地元の保安官と対立。法廷シーンは予審で、地元の検事と対決、メイスンのカンが当たり事件は解決します。少なくとも半年は平和な田園なんて見たくない、とメイスン。
銃は.38口径のコルト・ポリス・スペシャル型「自動拳銃」(a Colt Police Special .38-calibre)シリアル704818が登場。5発装填1発発射とあることから6連発のようで、オートマチックではなくリボルバーだと思われます。シリアルを検索するとOfficial Police(1943年製)とOfficer's Model Special(1950年製)が一致。Colt Police Specialという名称の銃は無いので、この銃はColt Official Policeの38スペシャル弾仕様ということかもしれません。 証拠の銃を発見した時、指紋保存のため保安官助手が銃身に鉛筆を突き刺していますが、現在ではライフリングを痛めるのでやっちゃダメになっているんじゃないかな。
(2017年4月15日記載)

No.49 6点 光る指先- E・S・ガードナー 2019/08/18 00:25
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第37話。1951年5月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
あんたは有毒、天然痘、体臭・息がくさい、と(いう意味を)上品に言うデラ、実は毒舌家? 法外な弁護料で雇われたメイスンのハメ手を上手く逃れるホルコム、少し賢くなりました。物語の序盤で法廷シーンが登場、メイスンのしつこい反対尋問が炸裂します。三度目のサウザンド・アイランド・グレービーねた。殺人課の連中がうようよの中にホルコムがいて… 復帰した? ニューオリンズに飛ぶメイスンとドレイク、地元警察と対立、トラッグが空港でお出迎え。終盤の法廷場面はバーガーが自信たっぷりに登場、メイスンはネチネチ尋問で反撃。メイスンの危ない冒険はありませんが、ドレイク事務所にやらせます。最後はバタバタと解決。
(2017年4月15日記載)

No.48 6点 片眼の証人- E・S・ガードナー 2019/08/18 00:17
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第36話。1950年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
冒頭にメイスンは登場しませんが、すぐ電話で呼び出されます。少し日本人の血が混じっているという煙草娘にローリイを注文。ドレイクは寒い時にうってつけの特製バター入りラム酒(セルビイ検事の敵A.B.C.も大好きなヤツです)をメイスンに振る舞います。メイスンのコーヒーの好みはクリームと砂糖入り。行く先々で死体にぶつかるメイスンはトラッグにしつこく付きまとわれ、不動産取引のついでにデラにプロポーズ。メイスンの無茶な冒険はありません。法廷場面は予審、バーガーが登場。眼鏡講義の後、最後はデラの才能が発揮され、劇的な証言シーンを経て、ちょっと複雑すぎる解決に至ります。
(2017年4月9日記載)

No.47 7点 なげやりな人魚- E・S・ガードナー 2019/08/18 00:09
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第35話。1950年1月出版。連載Collier's(1947-9-17〜10-22) ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
カヌーに乗ってメイスン登場。ジャクスンが久しぶりに登場、レンズの厚い眼鏡をかけフクロウのような目をしており、事務所に有利な判決を探し出すのが得意。メイスンは「ぼくは心の狭い、こうるさい、旧式な男だ」と告白。メキシコ料理屋の占い師がデラについて、長いこと孤独で幼い頃に父は離婚しその悲しみで母は死んだ、と占います。メイスンは危ない冒険はしませんが、結構追い込まれますが、巧みな反対尋問で検事は慌てふためき、保安官は敵意をむき出しにし、遂に鮮やかな解決を迎えます。締めくくりは「犯罪のために乾杯」
銃は、翻訳では「.38口径の自動拳銃」とあるのですが、その後、同じ銃を「銃身が2インチ、.38口径の特大の新型スミス・アンド・ウェッスン」one of a new Smith and Wessons with a two-inch barrel, a .38 specialと証言します。(specialを「特大の」と誤訳) 1949年から販売されたK-38 Combat Masterpiece(38スペシャル弾)が候補。他に.44口径の「自動拳銃」(メーカー名等の詳細不明)も登場。「シリンダーを横にはずして」と書かれていることからリヴォルヴァである事は明白です。訳者は「自動拳銃」を誤解しているようです。(旧訳「なげやりな人魚」妹尾訳を見ると、高橋訳「自動拳銃」のところはいずれも「拳銃」(一箇所だけ「複動の拳銃」double action)ときちんと訳されていました。)
(2017年4月9日記載)

No.46 7点 用心ぶかい浮気女- E・S・ガードナー 2019/08/17 16:27
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第34話。1949年5月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
ドレイクと朝食の待ち合わせから物語は始まります。届いたのは鍵付きの怪しい招待状。メイスンはもちろん誘いに乗り、込み入った偽装に翻弄されますが、慰謝料をたっぷりせしめます。新聞に載りたいホルコムは騙され、協力的なトラッグはメイスンの助言で成果をあげ、バーガーは自信たっぷりに予審に挑みますが結局へこまされます。解決は複雑すぎる感じ。
銃は「実用一点張りの」スミス・アンド・ウェッスン38口径リヴォルヴァ、握りの側面にシリアルS65088(Nフレームで1946-1947年製) Nフレームの38口径は.38/44か.357マグナム。三作続けてS&Wの同タイプの拳銃が登場。45口径オートマチックも登場しますが詳細不明(コルトM1911だと思います)
(2017年4月8日記載)

No.45 6点 怪しい花婿- E・S・ガードナー 2019/08/17 16:20
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第33話。1949年2月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
冒頭、美しい脚に目がくらむメイスン。雑誌のネタになったり、上手くいく夫婦のコツを聞かされたりで、国境を越える羽目になり、メキシコのきれいな夜空を眺めて癒されます。おなじみホルコムが乱暴なノックとともに登場。トラッグはメキシコに現れメイスンと法律論議。メイスンの危ない行動は無く、口先で切り抜けます。ドレイクの暗号ノックは1-3-2(前は違ったような気が…) 法廷ではズルそうなサンディエゴ郡地方検事コヴィントンが登場、陪審選択、冒頭陳述でもメイスンに圧倒され歯嚙みします。続々と不利な証拠が現れ、追い詰められたメイスンはレストランで大爆笑、デラとドレイクは苦笑い。解決は入り組んでいて胃もたれします。ポール ドレイクは犬が苦手らしい。
銃はスミス・アンド・ウェッソン.38「なかなか上等の拳銃」グリップに刻まれた番号はS64805(放浪処女のシリアルと同一番号、Nフレーム1946-1947年製) 当時のS&W製Nフレームで38口径の銃は.38/44か.357Magnumですね。
(2017年4月8日記載)

No.44 5点 放浪処女事件- E・S・ガードナー 2019/08/17 16:11
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第32話。1948年7月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
せっかちな依頼人と無邪気そうな娘。メイスンを呼び出したホルコムは尋問中のチンピラをバンバン殴ります。トラッグは相変わらず優秀、メイスンの危険な冒険はちょっぴり、デラの機転がメイスンを喜ばせます。法廷シーンは予備審問、検事はおなじみバーガー、ある証人には妙に優しいのが可笑しい。解決はあまり冴えない感じです。米国における18歳と20歳の差が印象的。
銃は38口径のリヴォルヴァ、スミス・アンド・ウェッスン社ダブル・アクション、銃身6インチ、シリアルS64805が登場。シリアルから判断するとNフレームの銃で1946-1947年製。 「.38口径とは言え本体は.44口径用ので重い銃」この記述からS&W .38/44(Heavy DutyやOutdoorsmanの愛称あり)だと思われます。(S&W .357マグナムの可能性もある?)弾丸はピーターズ社製(Peters Cartridge Co.)「.38口径」としか書かれていませんが38スペシャル弾でしょうね。
(2017年4月6日記載)

No.43 6点 怪盗と接吻と女たち- E・S・ガードナー 2019/08/17 15:46
日本オリジナルの中篇集。メイスンの中篇全2作とレスター リースもの2作(ハヤカワ文庫に収録されてるものと同内容)と女探偵もの1作を収録。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
メイスンものの長篇以外の作品は他に短篇1作(「腹を立てたゴミ屋」The Case of the Irate Witness, Collier's 1953-01-13)があるだけということになっています。(「消えた目撃者」(1949)と言う短篇が翻訳されてるんですが…)

「燕が鳴いた」The Case of the Crimson Kiss (American Magazine1947-8): 評価6点
ペリー メイスン第29.5話。シリーズ初の中篇。燕の巣、望楼からの眺め、トレーラー生活。ドーセットが登場、普段と違って案外まともな対応です。法廷シーンは無し。解決は慌ただしい。銃は20口径(20ゲージですね)のショットガンが登場。長編の梗概みたいな感じです。

「緋の接吻」The Case of the Crying Swallow (American Magazine1948-6): 評価7点
ペリー メイスン第31.5話。シリーズ2作目の中篇。冒頭にはメイスンが登場しません。メイスン事務所の夜間電話番号はウェストフィールド6-5943、デラの故郷からの知り合いがメイスンに事件を持ち込みます。法廷場面は予備審問。物語の構成が上手く解決も鮮やかです。

レスター リース2作(Detective Fiction Weekly 1941-3-29 & Flynn's Detective Fiction 1943-1)の評価は省略。

「宝石の蝶」The Jewelled Butterfly (Cosmopolitan 1950-10): 評価6点
珍しい女探偵ペギー カッスル、探偵が女性であることを意識した作品に仕上がっています。

No.42 6点 孤独な女相続人- E・S・ガードナー 2019/08/17 15:21
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第31話。1948年2月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
大都会の孤独を利用した商売。インクをぶちまける女。珍しくメイスンが人を見くびり、してやられます。依頼人側から見たホルコムとトラッグの尋問のやり方が恐ろしい。メイスンとデラの危険な冒険あり。デラは何度も試練を受けている、と言いますが… 法廷場面は予審で決着、わかりやすい鮮やかな解決です。車はA型フォードが登場。今はあまりお金に余裕のない資産家の車です。
(2017年4月2日記載)

No.41 5点 もの憂げな恋人- E・S・ガードナー 2019/08/16 20:08
ペリーファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第30話。1947年10月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
株を買い戻す合法的な狡い手口。典型的な銀行家。聞き込みには昔の大統領の版画がものを言う。州法では自動車のハンドルの柄に登録証をつけるきまり。ガーティがちょっと活躍、やはり「大柄な目方の多すぎる」体つき。(眼鏡でカマキリのように痩せていたのは「ころがるダイス」の時だけ)メイスンの危ない冒険はなく、トラッグと協力します。法廷は予審で決着。
(2017年4月1日記載)

No.40 5点 ストリップ・ガールの馬- E・S・ガードナー 2019/08/16 20:03
ペリー ファン評価★★★☆☆
ペリー メイスン第29話。1947年6月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
裏表紙に「デラが自ら事件の渦中にとびこむ異色作」とあるけどそんなシーンは全くありません。色っぽい要素も無し。
LAが舞台のこのシリーズですが、メキシコ人が登場するのは意外にも初めて。車で暑いインピアリアル溪谷を走るメイスンとデラから物語はスタート。メイスンの無茶な行動はほとんどありません。刑事連はドーセットとホルコムで、トラッグは活躍なし。法廷ではバーガーと対決。細かいことにこだわりネチネチ反対尋問するメイスン。小ネタを積み上げて逆転する感じです。銃は.410口径の銃が登場。具体的な描写はありませんが、ショットガンでしょうか。米国事情で興味深かったのは、夜中に安ホテルが無人で部屋を貸すシステム。
(2017年3月31日記載)

No.39 7点 五人目のブルネット- E・S・ガードナー 2019/08/16 19:53
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第28話。1946年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。ちょっと変えてます。いずれ再読したらあらためて書きます。)
第3シーズン(私見では41話まで)は戦後メイスンです。特徴はメイスンのネチネチ揚げ足を取るような反対尋問。バーガーが私怨に凝り固まり、事件の解決よりメイスンをやっつけるのが目的のダメD.A.に… (トラッグも呆れます。)
アダムス街よく似たブルネットがいっぱい、赤毛連盟風の冒頭です。運転免許証には親指の指紋が表示されている、銀行の窓口は担当が客の頭文字別になっている(「私はRからZの預金担当」)などの米国生活風景。バーガーの知恵袋ガリング地方検事補が新登場、法廷シーンは予審から珍しく大陪審へ、陪審長の計らいでメイスンは真相を掴みます。解決は鮮やか、メイスンがガリングを翻弄する手口も楽しい。文庫版の巻末には「があどなあ・ほうだん/2」夫婦間の証言についての解説あり。
銃は32口径コルト製レヴォルヴァが登場、シリアル14581(このナンバーは「埋められた時計」「寝ぼけた妻」に続き3度目、ただし前2回は38口径。) 検索すると32口径のColt New Police 1903年製が見つかりました。古い32コルト弾(32 Long Colt)と32ニューポリス弾(32 Colt New Police)の両方に対応。「弾丸はある古い形式の廃れたタイプのやつ」で新しい弾丸と区別出来る、というのは32コルト弾のことかも。
毎年2作のメイスンものを生産してきたガードナーですが、1946年だけこの1作きりです。
(2017年3月26日記載)

No.38 7点 寝ぼけた妻- E・S・ガードナー 2019/08/15 20:40
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第27話。1945年9月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
私見ではここまでが色々変化球を試してた第2シーズンの終わり。(次回作は「戦後」と言う区切りでもあります。)
メイスン事務所は第4章から、メイスンは第5章から登場。ジャクスンが久しぶりの活躍、徹底的前例主義者で、妻は5歳年上の後家。メイスンとデラは霧の立ちこめるなか豪華ヨットで一泊。頑固な警官役はドーセット巡査部長、パラフィンテストや指紋採取を拒否。13日の金曜日に打ちのめされるメイスン、トラッグに「あばよ! シャーロック」とからかわれ、裏目ばかりが続き疲れたメイスンは夕暮れのなかデラの膝枕で眠ります。圧倒的に不利な法廷ではバーガーとやりあい、同時に民事訴訟の口供調書作成で相手方弁護士と対決。解決は鮮やかですが、ちょっと誤魔化され感あり。銃は0.38口径 コルト警察用拳銃シリアル14581(Colt Police Positive revolver Number 14581)が登場、シリアルで検索すると1907年製(38S&W弾)か1909年製(38スペシャル弾)ですね。
(2017年3月26日記載)

No.37 6点 黒い金魚- E・S・ガードナー 2019/08/15 20:27
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第26話。1945年5月出版。文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
原題 Golddigger's Purse「金目当て女の財布」(なので動物タイトルではありません) 作者のまえがき(南アメリカの友人たちに感謝)付き。前話の続きでレストランから始まり、ヴェイルテイル・ムア種の出目金が発端。今回はツキのないメイスン、慎重に行動しても抜け目ないトラッグに追い込まれ、得意の強気なブラフにも失敗、理解ある予備審問の判事のおかげで何とか窮地を逃れます。解決はちょっと複雑、転写法の件は無理筋だと思います。次の事件の予告はありません。文庫版は、予備審問についてのわかりやすい解説(があとなあ・ほうだん/6)あり。銃は38口径 ダブル・アクション リヴォルヴァ、メーカー不明。
(2017年3月25日記載)

No.36 6点 殴られたブロンド- E・S・ガードナー 2019/08/15 20:07
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第25話。1944年11月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評の転載です。いずれ再読したらあらためて書きます。)
雨の日のデラとの冒険、トラッグ警部との騙し合いは相変わらず、メイスンは荒っぽいのはやらないと言いながら、結局危ない橋を渡り、お久しぶり(お前のせいで殺人課から出された)ホルコム部長刑事に出くわします。法廷場面は予審で、これまたお久しぶりドラム検事が登場。矢継ぎ早に指示されるドレイクは夕飯の代わりに「一本で二倍の栄養がある」チョコレート・バーを勧められます。次回予告はトリオが集まったレストランに金魚で気の狂いそうな男が登場。
銃は38口径リヴォルヴァ、メーカー不明。他にも終盤に派手な銃撃戦がありますが銃の具体的な描写はありません。
(2017年3月21日記載)

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弾十六さん
ひとこと
気になるトリヴィア中心です。ネタバレ大嫌いなので粗筋すらなるべく書かないようにしています。
採点基準は「趣好が似てる人に薦めるとしたら」で
10 殿堂入り(好きすぎて採点不能)
9 読まずに死ぬ...
好きな作家
ディクスン カー(カーター ディクスン)、E.S. ガードナー、アンソニー バーク...
採点傾向
平均点: 6.10点   採点数: 446件
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E・S・ガードナー(95)
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